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» 2012年06月22日 16時15分 公開

震災時に信頼、政府かTwitterか――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」5000人が白熱した特別講義(4/6 ページ)

[上口翔子,Business Media 誠]

若い人の投票率が低いのはなぜ?

サンデル 若い世代は政治に十分に関わっていない、慢心していると思いますか?

ユウヤ はい、思います。

サンデル なぜそう思いますか?

ユウヤ 現にそういう話を聞くのもありますけど、示される政策にしても僕たち若者よりは、より投票をしてくれるような年配の人に利益があるものが多いと感じているので、それが理由ですかね。

サンデル あなたは何歳ですか?

ユウヤ 22歳です。

サンデル ちょっと好奇心で聞きますが、ここにいる人で40歳以下の人はパンフレットを上げてください。

 大多数がパンフレットを上げる。

サンデル かなりいらっしゃいますね。では加えて、この中で国レベルの選挙の投票資格を得てから、必ず投票し続けている人はそのままパンフレットを上げていてください。かなり残っていますよね。ユウヤ、あなたの主張は本当にそうなんでしょうか?

ユウヤ かなり当たっているとは思っていますが、1人1票が与えられている中で、僕は正直これ(会場でパンフレットを上げたままだった人の割合)は多くはないと思っています。

サンデル なぜ若者はあまり投票しないのか、では彼らに投票を促すには何をしたらいいと思いますか?

ユウヤ 実は僕もあまり投票に行かない方なのですが、すいません。正直、自分の1票が政策に反映されているは思っていなくて。その理由としてはやはり、リーダーがいないのが大きいです。

サンデル ではあなたの1票は変化を生むと思いますか? もし投票に行けば。

ユウヤ そういう政府が存在すればそう思います。

サンデル ということは、主要政党が示す政策のオプション、選択肢は十分にあなたにとって重要と思うような問題は反映していない。あるいは若者にとってだけでなく、あなたが重要と思う政策、立場は反映していないからいけない。そういう理由でしょうか?

ユウヤ えーと、その、結構難しいとは思うんですが、そういう政策がなされていないところもあると思うし、逆にそういう政策がなされているのに、僕ら若い世代が気が付いていないのもあると思います。

サンデル 分かりました。では、いまユウヤが定義した問題について他の人の意見を聞きましょう。何をすれば政治的な制度、あるいは政党制度を変えるために、若者にもっと投票してもらえるでしょうか?

女性 先日、フランスで大統領選挙が行われていましたが、私は周りにフランス関係の人が多いので、関心を持って見ていました。するとやはり若い人でも選挙結果を見て感極まって泣いたり、結果に対して本当に悔しがっている人が多かったんですね。それはやはり直接選挙だという点がすごく大きいと思うんです。でも今日本の選挙はそういう状態ではないので、若い人なんかは分かりずらいんじゃないでしょうか。フランスの選挙を見ていてそれを強く感じました。

サンデル あなたの周りの人が、選挙の日の夜に残念だったり喜んでいて涙したということですか? あなたの直接の友人がそういう風に反応していたのですか?

女性 はい。

サンデル 他に意見のある人いますか?

男性A 若い人たちにもっと選挙に興味を持ってもらうためには、政党の方も若者向けに発信する工夫をしなければならないと思います。将来ビジョンどうするかとか、日本の人口がこれから減っていく問題について。例えば日本は科学技術を持って発展していこうとしているのに工学離れも進んでいると、そんな中でどういう風に日本をプロデュースしていきたいのかと。

 そしてどういう風に育っていってほしいのかを、もっと大人が子供たちに訴えかけていくというのが必要だと思います。加えて、投票権の年齢の引き下げですね。18歳から投票できるようにするとか、そういった試みが必要だと思います。

サンデル 気が付いた人もいたかもしれませんが、今の議論は信頼というところから始まりました。誰を信頼するのか、政府かブログやTwitterかという話が少し変わって、政治参加という議論になってきました。そして、なぜ若者はあまり政治に参加しないのか、参加してもらうには政治制度をどう変えればいいのか、非常に豊かな議論ができたと思います。ありがとうございました。

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