モバイルタイプのスキャナで、Wi-Fi対応、スマートフォン連携。どんなメリットがあるのか、実際に使ってみたら意外にも新しい発見があった。
ある日、誠 Biz.IDの鷹木編集長からメールが飛んできた。キヤノンがモバイルスキャナの新製品を出すので記事を書いてみないかというお誘いだった。それが「imageFORMULA DR-P208」である。
そのスキャナはA4サイズの両面同時スキャンが可能な携帯型シートスキャナで、オプションでWi-Fiユニット「WU10」が付くタイプ。ワイヤレスでスマートフォンやタブレットと接続して直接スキャンデータを読み込めるのが特徴という。はやりの「スマートフォン連携」というやつだ。
スマートフォン連携は分かるが、それ以前のこととして、私はモバイルスキャナにはちょっとした疑問を感じていた。
過去私もモバイルタイプのスキャナを購入し、モバイルPCの周辺機器として一緒に持ち歩いていたことがある。しかし最近は、スマートフォンのカメラが高解像度かつ高画質化したおかげで、わざわざ外出時にスキャナを持ち歩く機会がほとんどなくなっている。
私がよくやるのは、メモを画像にして残すことだ。スマートフォンで撮影した後の画像処理アプリの充実(※)もあって、それで十分と感じていた。もちろん、スキャナは読み込む原稿の大きさでサイズが決まってしまうので、ある程度の大きさが必要だ。そして重さもある。携帯性はスマートフォンにかなわない。
(※)例えば「CamScanner」(有料版/無料版)、「JotNot Scanner」(有料版/無料版)などのiPhoneアプリや、SHOT NOTE(ショットノート)、CamiAppなどの紙のノートとの連携製品では、iPhoneで撮影した文書を補正してスキャナで読み込んだような画像に近づけてくれる
スキャナが届き、早速PCと付属のUSBケーブルで接続。まずはADF機能を試した。ADF機能とは、連続給紙、連続読み込みのメカがついているということだ。
早速、ビジネス文書や名刺を10枚ほど重ねてそれぞれ一括にスキャンしてみた。1回の動作で10枚の書類が裏表同時に読み込めてしまうのはとても良い。A4が10枚、両面20ページのビジネス文書をカラースキャンが約2分で完了した。高速とはいえないが実用範囲だ。
特に名刺の場合、スマートフォンのカメラで同じことをしようとすると、かなりの手間だ。1枚1枚丁寧に撮影しないと、ピンぼけが発生するなど後で名刺データベースとして使えない。
名刺の整理はついつい後回しになり、未整理のものがたまってしまいがちだ。それが、DR-P208なら多少ためてしまっても大丈夫。ADF機能で効率よく読み込んでしまえるだろう。
DR-P208の重量は約600グラム、312.5×55.5×40ミリ(幅×奥行き×高さ)とスリムな形状をしている。ACアダプターが不要で、PCと接続する場合はUSB給電で動作するなど、モバイルスキャナとして携帯性を重視した仕様となっているのがとても評価できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.