4つ目は、話すことによって「癒しの効果」が得られることです。
私は先日まで、仕事で悩みを抱えていました。「自分で考えられる限りことはがんばった。けれども、なかなかうまくいかない」といった状況でした。このとき私は、次のような気持ちを抱いていました。「自分で何とかしなければいけないことは分かっている。だからアドバイスがほしいわけじゃないし、慰めてほしいわけでもない。『お前ならできる』と言ってほしいわけでもない。とにかく話を聞いてほしい」
このような状況にあるとき、コーチングもへったくれもありません。「○○法で分析してみましょう」というような表面的なことでも、問題は解決しないことは感覚的に分かっていました。「同じ体験をしたことがある人にとにかく話を聞いてほしい」……ただ、それだけでした。
私は、私と同じ境遇を経験したことがある知人に「話を聞いてほしい」と連絡し、話を聞いてもらいました。知人は、何もアドバイスすることなく、ただ話を聞いてくれました。内に抱えていたことを外に出すことで、肩の荷を降ろすことができました。そして、気がついたのです。「こんなに自分を追い込んでいたんだな」ということに。そうです、「自分の知らない自分」に気付いた瞬間でした。
これまでの私は、いろんな場に参加すること、組織に属することについて、ネガティブな面しか見ていませんでした。けれども、この経営者の話をうかがって、また自身が体験したことを通じて、「いろんな場に参加してみよう。そして、自分の考えを話してみよう」と思いを新たにしています。
あなたは「自分が知っている自分がすべてだ」と思っていませんか? 「自分の考えを話す価値などない」と思っていませんか? 自分の考えを話す場を作ることによって、「あなたが知らないあなた」に出会えるかもしれません。
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