机の整理とPCの整理は、反比例している?机を基地化せよ(4/5 ページ)

» 2013年04月11日 10時00分 公開
[美崎栄一郎,Business Media 誠]

全文検索ができるのだから、階層作りもリネームもやめてしまえ!

 一方、ナダレの気持ちはこの対策だけではどうにも落ち着きません。なぜなら彼は、ファイルを分野別にきれいに整理することが大切だと感じていて、デスクトップが整理整頓されているのは、あくまでその結果にすぎないからです。

 確かに、かつてはナダレのようなやり方が推奨されていたのです。仕事の種類によって、あるいはアイテム別とか、クライアント別、作成日時別に、自分が理解しやすい階層を構築して、それぞれにフォルダを配置し、そこにファイルを振り分けておけば、見た目にも鮮やかなツリーの構造ができ上がります。たどり着くことも簡単になりますし、何かしっかり仕事をしているような、妙な充実感、達成感も得られます。

 ところが、現在のPCやメールソフトは、デスクトップ検索(ローカルファイルの全文検索)ができるようになりました。自分のPCの中に入っているファイルを自分で検索できます。これは画期的な進歩です。検索エンジン経由でインターネットから必要な情報を引っ張るような感覚で、自分のローカルファイルだけを対象に、テキストで検索できるのです。

 ピンとこない人は、Gmailの機能を思い出してみてください。毎日何十通もメールを受け取っている人にとって、視覚だけを頼りに必要なメールを追いかけるのはなかなか難しく、また面倒なものです。3日くらい前のメールになると、もはやどこに行ったのか分からなくなってしまいます。

 しかし重要なメールであれば、誰から来たのか、いつごろ来たか、どんな件名だったか、本文にどんなキーワードが並んでいたかのうち、1つ2つくらいは記憶しているはずです。だったらいちいちマウスで操作して過去のメールをさかのぼるよりも、それらをキーに検索したほうが、結果として断然短時間で目的のメッセージにたどり着けます。

 数週間前や、数カ月前のメールであればなおさらです。僕は、毎日のようにメールをやりとりしているほんの数人だけは専用のフォルダを作って振り分けていますが、それはいったん設定しておけばPCが勝手にやってくれて、僕自身が振り分ける面倒がないからです。それでも残りのメールは、すべて時系列順に自動的に並べているだけです。

 この考え方は、メールのメッセージ以外のファイルでもじつはまったく同じなのです。テキストが埋め込まれているファイルであれば、すべて検索に引っ掛かります。ならば、いちいちフォルダに分けておく必要性は薄いのです。

 1つ裏ワザを紹介しましょう。個人でGmailを使っているときに無料で使用できる容量の上限(2013年4月現在は10Gバイト強)を超えることはまれだと思いますが、会社のクラウドメールなどでは、容量面での制約から古いメールを削除しなければいけない場合があります。

 そんなときは、削除する前に古いメールを「Outlook」などのメーラーを使ってダウンロードしておくだけで、検索の対象としては使用し続けることができます。

まとめ

メールの整理法は「全文検索」に任せ、最重要人物以外は時系列で並べておけば十分。添付ファイルはすべてデフォルトのダウンロードフォルダに保存し、デスクトップにショートカットを作っておけば、あとは何もする必要なし!


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