ちょっとの工夫でぐっと伝わりやすく――誤解を生まず、要件がすんなり伝わるメール作成術田中淳子の人間関係に効く“サプリ”(2/2 ページ)

» 2013年07月25日 10時00分 公開
[田中淳子,Business Media 誠]
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メールの冒頭で、相手にしてほしいことを伝える

 日時を明記する以外にも、「気配りがある対応だなあ」と思うケースがある。

 例えば、「8月20日(火)10時でいかがでしょうか?」といったメールに対する返信に、「かしこまりました」とするだけの人と、「かしこまりました。8月20日(火)10時に伺います」と日付などを繰り返し記載してくれる人がいる。

 後者の返信のほうが圧倒的に親切だ。「かしこまりました」だけでは、本文を読みなおさないと何に対して「かしこまりました」なのか、すぐにはつかめない。返信の本文に日時など大事なことが記載されていれば、メールをスクロールしなくても大丈夫だ。

 メールの冒頭で、「主旨説明があると助かるのに……」と思うケースもある。長文を読んで、最後に「どう思いますか?」とか「……ということがあったことだけお知らせしておきます」などと書かれるより、冒頭で、「報告が1件あります」とか「相談です」とか「アドバイスいただけますか?」といったように、メインの依頼、つまり、“メールの送り主が読み手(私)にしてほしいことは何か”を書いてくれるととても読みやすい。「相談です」と書いてあれば、それに続く文章には「相談事」が記載されているのだな、と予想しながら読めるし、「報告です」とあれば、理解しておけばよいのだな、と思える。

 最初に用件・主旨を言ってしまうと、冗長な文章にならずに済むというメリットもある。

 よく若手のメールについて「何を言いたいのか要領を得ない。最後にようやく、“だから、納期に間に合わない”などと書いてあるんだけど、最初に“納期を延長してほしい”とか、こちらにしてほしいことを書いてほしいよね。その後ろに、“事情はかくかくしかじか”と書いてあるなら分かるけど」と嘆く先輩がいる。そういう場合は、「相手にしてほしいことを最初に伝えるほうが読み手にストレスを与えなくて済むよ」と教える必要があるだろう。

著者プロフィール:田中淳子

田中淳子

 グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー。

 1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタル イクイップメントを経て、96年より現職。IT業界をはじめさまざまな業界の新入社員から管理職層まで延べ3万人以上の人材育成に携わり27年。2003年からは特に企業のOJT制度支援に注力している。日経BP社「日経ITプロフェッショナル」「日経SYSTEMS」「日経コンピュータ」「ITpro」などで、若手育成やコミュニケーションに関するコラムを約10年間連載。


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