「頑張る」と「仕事をする」は大違い――忙しい自慢は止めよう3分LifeHacking(1/2 ページ)

とにかく忙しい現代人。しかし「最近どう?」という質問に対して「超多忙」「何とか生き延びている」と答えると、まるで多くの仕事を抱えていることを「自慢」しているかのように捉えられることがあります。

» 2013年10月04日 09時00分 公開
[Meredith Fineman(訳:佐藤ゆき),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 とにかく忙しい現代人。「超多忙」「押しつぶさそうになっている」「何とか生き延びている」などという表現が、日常会話の中でもよく使われます。

 「最近どう?」という質問に対してこうした言葉で返すのは、あたかもサバイバル状態を生き延びているかのようです。それどころか、むしろ多くの仕事を抱えていることを「自慢」するかのように使われることさえもあります。

 でもそれって、本当に自慢できることなのでしょうか。

「忙しい」ことは自慢すべきことではない

 忙しいことを控えめに自慢する人は、私が取引を検討していたクライアントの中にもいました。彼は「仕事がずっと“炎上”していた」ことを理由に、コミュニケーションが不足していたことを謝罪しました。

 私は彼のために助けを呼んであげればよかったのでしょうか? デート相手が「締め切り直前で超多忙」であることを理由に「適当なお店を予約しておいて」と私に頼んできたこともありました。その時は本当にガックリきました。

 こうしたやりとりは、相手よりも優位に立とうと競争しているようなものです。

 「私は君よりも忙しい」というのはつまり、私はあなたよりも重要だ、私の時間はあなたの時間よりも重要だ、どこまでも続く競争ゲームで優位に立っている、という意味です。要は「より忙しい、より必要とされている、より成功している」と言いたいのです。

 しかし、こうしたコミュニケーションには問題があります。周囲とのつながり、交流に大きな害を与えているのです。多くのクライアントを抱えている、新しいビジネスを始めようとしている。さまざまな事情があるでしょう。限られた時間の中で、無制限に仕事を抱えていたら、スケジュールはもちろんすぐに埋まるでしょう。だからといって、あなたがすべての仕事を引き受けるべきとは限りません。

 「忙しい」のを誇るべきだと思うのは、バカバカしい考え方です。忙しいのを誇ることで、私たちは家族や友人との大切なつながり、そして自分の時間をも犠牲にしているのです。家族や友人と気持ちを分かち合ったり、大切なことについて尋ねることができなくなり、「忙しい」状態をいったん休む必要があるのも分からなくなります。

 多忙な仕事に価値がないと言っているのではありません。優位に立つために忙しさを利用することで、他人と真の意味でつながることができなくなるのです。

 周囲の人が猛烈に働いている状況に置かれると、自分もまたあくせく働かなければいけないような気になってしまいます。競争に負けないようにと頑張りつつ、その競争を激化させているのです。こうした状況は精神的に良くありません。にもかかわらず、私たちは長時間労働を「名誉勲章」のように誇っています。

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