遅刻や締め切りを守れるようになると、信頼が得られるようになります。とはいえ、いきなり完璧を目指すのも大変ですし、また、周囲もとまどってしまいます。ほどほどを目指すのが大事なのが分かる話を、ここで見てみましょう。
この連載は書籍『ポケット版「のび太」という生きかた』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。
勉強も運動も苦手でぐうたらしてばかりののび太。でも、映画版で大活躍し、しずかちゃんと結婚し――、実は人生の成功者だったのです。そんなのび太から、無理せずに自分らしく生きて夢まで叶えてしまう方法を学んでみませんか?
本書では、のび太から学べる人生の成功法則を「のび太メソッド」と提唱し、全部で37つ紹介しています。
・完璧をいきなり目指さない
・かっこいい自分を想像する
・直感で判断。とにかく動き出す
・夢は叶うと信じ切る
・自分より、まず他人の幸せを望む・「愛する存在」で心を強くする
など。
この「のび太メソッド」は、どんなダメな奴でも夢が叶う魔法の法則です。みなさんの人生にも役立つヒントがたくさん詰まった1冊です。
職場や学校や家庭で、人間関係に悩んだことは、誰しも一度はあるはず。苦手な上司や取引先、わがままな先輩、口うるさい親――。のび太も、ジャイアンやスネ夫にいじわるをされたり、ママから怒られたり、学校で先生から廊下に立たされたりと、人間関係で悩むことは日常茶飯事です。
さらに、遅刻の常習犯で、勉強ができず忘れ物も多い子だと、先生に思われているようです。つまり、のび太は先生から、できの悪い子だという強い先入観を持たれているのです。
そんな先入観に、のび太が困って悩まされた作品があるので、ここで紹介しましょう。
「うつつまくら」
今日から秋の新学期。のび太はいつもと違って、誰にも起こされずに起床。学校に行くまでに時間があり、予習も始めます。夏休みの宿題も全部終わっています。ドラえもんは「こんなに調子よく、いくはずがない。のび太くんらしくないぞ。ひょっとすると、これはゆめだよ」と言います。
案の定、それはやはり夢。のび太が目覚めると、例年のように夏休みの宿題はほとんど終わっていませんでした。「(夢のなかで)せっかく調子よくいってたのに……。よけいなことをいうからだ」と言いながら、ドラえもんを責めます。そこで、夢と現実を取り替えるひみつ道具「うつつまくら」の登場。ドラえもんは、もう一度寝て、夢の続きを見ることをのび太にすすめます。
夢の中の学校では、先生はいつものように「また、のび太くんはわすれたのかね」「わすれた人は、立たせる約束でしたね」と早とちり。のび太がいくら「いえ、できています」と主張しても、聞いてもらえません。
しばらくして、宿題が片づいていることに気がついた先生は、「しつれい、きみがやってくるわけないと思いこんでいたんだ」とのび太に謝ります。そして、宿題はすべてよくできていたのですが、「きみ、おかしくなったんじゃないだろうね」とのび太のおでこに手を当てながら先生が言うと、周りのクラスメートたちも「信じられないわ。だれかにやってもらったんだ」と先生に同調するムードになります。そんな周りの態度に腹を立てたのび太は、授業中でしたが「ムガー」と大きな声を出しながら、顔を真っ赤にして、家に帰ってしまいました。
家に帰り、のび太はドラえもんに「じつにふゆかいだ! 前のほうがいい」と言って抗議し、もとの世界に帰るため、もう一度眠ります。「うつつまくら」の夢から覚め、現実に戻ったのび太は、終わっていない夏休みの宿題を「やっぱり、やらなきゃだめだろうな」と言いながら机に座ると、ドラえもんは「あまり完全にやると、また、うたがわれるよ」とアドバイスするのでした。『ドラえもん(5)(てんとう虫コミックス)』小学館 より
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