労務管理の仕事は、次の4種類に大別されます。
最近では、ワーク・ライフ・バランス推進と女性登用が、企業の活性化と業績に密接につながっている事例などが報告されています。労務管理は、自社の働きがいと働きやすさを実現する仕事でもあります。
そもそも会社は、会社法によってその存在を認められ、営業活動などが可能になっています。その点からも、企業の設立から活動、終了に至るまで、法律が関わってきます。それが企業法務の仕事です。
たとえば、リース契約では、民法の賃貸借契約の定義などが絡んできます。社員の雇用に関する労働条件は、労働基準法の遵守が強制されています。
企業法務の仕事は、企業活動全般に関わる法律業務のすべてが含まれる仕事ともいえます。
一般的に「庶務」の仕事といわれているものです。大別すると次の3つになります。
「取締役会の運営、株主総会の準備、株式管理」「社内行事などの全社的な活動の推進」など、経営をサポートする仕事です。
「固定資産の管理」「消耗備品などの用度品調達と管理」「事務機器類の保守」「防災や保安などのリスク管理」などもあり、多岐にわたる仕事といえます。
「受付や電話応対」「来客対応」「慶弔や冠婚葬祭」「経営トップの秘書的な業務」など、社内外の窓口的な仕事です。
これらの庶務的な仕事は、誰にでもできて、ルーティンなものも多く、専門的な知識も必要ではないように考えがちです。
しかし、用度品管理ひとつをとってみても、技術革新によって商品サイクルが短くなり、より便利で安価なものが市場に出回ります。常にアンテナを張り巡らせている必要がある仕事です。これらの仕事は、まさに、「ひと・もの・情報・サービス」の経営活動の全般に影響を及ぼし、すべてをつかさどっているといえます。
総務に必要な知識の前提として、社会的規範(コモンモラル)を知る必要があります。
社会的規範には2つの「法」があります。
1つは成文化された社会の規範となる「成文法」、もうひとつは必ずしも成文化されているわけではないが、私たちの生活や社会をルールづけている慣習的に行なわれてきた「慣習法」です。
総務の仕事のすべてにわたって、成文法と慣習法の知識が求められます。いわば、総務の「土台となる知識」です。
そして、土台の上に築かれるべき必要な知識もあります。具体的には上表のとおりです。
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総務としての仕事と、仕事に必要な知識を確認しました。次回からは、「法律、ひと、もの、情報」に関わる仕事を、項目ごとに具体的に見ていきます。
株式会社 ファースト・アシスト代表取締役。社団法人日本産業カウンセラー協会 産業カウンセラー。1969年4月大西公認会計士事務所創立とともに入所。1971年より同事務所発展による事業拡大により総務職に就く。総務主任、総務課長、総務部長を経て、1989年10月株式会社第一会計設立とともに取締役総務部長に就任。2002年4月株式会社ファースト・アシスト代表取締役に就任。現在は総務職としての経験を生かし、クライアント企業の中期経営計画の策定、間接部門の確立・コンピテンシー人事制度の導入などを中心としたコンサルタント活動のかたわら、講演活動や女性経営者としてさまざまな異業種交流団体での活動を行っている。
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