夢や目標を実現するためには、周りの人たちが納得するよう、しっかりと提示することが重要です。そうすれば、サポートしてくれる人が必ず現れます。
この連載は書籍『ポケット版「のび太」という生きかた』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。
勉強も運動も苦手でぐうたらしてばかりののび太。でも、映画版で大活躍し、しずかちゃんと結婚し――、実は人生の成功者だったのです。そんなのび太から、無理せずに自分らしく生きて夢まで叶えてしまう方法を学んでみませんか?
本書では、のび太から学べる人生の成功法則を「のび太メソッド」と提唱し、全部で37つ紹介しています。
・完璧をいきなり目指さない
・かっこいい自分を想像する
・直感で判断。とにかく動き出す
・夢は叶うと信じ切る
・自分より、まず他人の幸せを望む・「愛する存在」で心を強くする
など。
この「のび太メソッド」は、どんなダメな奴でも夢が叶う魔法の法則です。みなさんの人生にも役立つヒントがたくさん詰まった1冊です。
夢を実現するためには、周りの人たちに十分に納得してもらえるしっかりした目標を提示することが重要です。そうすれば、周りからサポートやアシストを申し出る人たちが必ず登場するものです。
逆に、どんなすばらしい条件が提示されても私利私欲が垣間見られる夢には、誰もが二の足を踏むのは当然といえます。
そんな人の心を描写しているシーンを、以下で見ていくことにします。
「のび太の宇宙開拓史」
ある日、宇宙空間がねじ曲がって、空間の一部がのび太の家とコーヤコーヤ星、そしてその星の住人ロップルくんの操縦する高速艇をつないでしまいました。のび太やドラえもんはロップルくんと彼の相棒チャミーと仲よしになります。
しかし、のび太のママは2人が部屋をよく空けているので勉強しないで遊んでばかりいると思い、のび太が逃げ出さないようにしずちゃんに見張りを頼みます。
そんなある日、コーヤコーヤ星にピンチが訪れ、チャミーがのび太たちに助けを求めてきました。チャミーたちを助けに行こうとするのび太とドラえもんを、しずちゃんは最初、引き留めます。でも、事態がさらに悪くなると「ママにいいつけてもかまわない!」と言いながら、のび太とドラえもんは事態解決のためコーヤコーヤ星に出向きます。
この2人の行動から深刻な状況に気付いたしずちゃんは、のび太のママとの約束を破ってジャイアンとスネ夫に助けを求め、3人そろってのび太の応援に駆けつけました。
コーヤコーヤ星で劣勢に追い込まれていたのび太たちでしたが、ジャイアンたちの登場によって形勢は一挙に逆転。事態を悪化させているギラーミンを打ち倒すことに成功しました。『大長編ドラえもん(Vol.2)のび太の宇宙開拓史(てんとう虫コミックス)』小学館 より
大の仲よしのロップルくんたちの星が滅亡の危機にさらされ、ドラえもんとのび太を追ってその仲間たちが助けに行く――という作品ですが、ここでは「ママにいいつけてもかまわない!」ときっぱりと言ったところに、夢を叶える鍵が隠されています。
というのは、その後のしずちゃんの行動に裏付けられるからです。しずちゃんを振り切って、コーヤコーヤ星に出掛けたのび太の姿から、最初はなかなか理解しなかったしずちゃんもここでのび太とドラえもんがとった行動の重要さに気が付くのです。また、聡明な彼女は事態の深刻さを正しく認識し、ジャイアンやスネ夫に応援を求めるという行動を起こします。
他人のサポートを期待する場合、誰でも納得できるような明確な目標を持って取り組んでいることをアピールする必要があります。例えば、しずちゃんは1人で奔走してジャイアンやスネ夫を味方につけて一緒に乗り込み、ギラーミンに応戦する原動力となりました。
のび太がしずちゃんをはじめ、ジャイアンやスネ夫のサポートを仰ぐことができたのは、私利私欲のためではなく一緒に楽しく過ごした大の仲よしのロップルくんたちが住んでいる星の危機を回避するためでした。本当にやるべき目標のためにはいい仲間が集まり、結果的にはいい成果が得られるのです。
周りの人たちに納得してもらう
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