顧客データを分析し活用することで、顧客の育成と維持を図るだけでなく、本当に大切な顧客にアプローチすることが可能になります。
本連載は、坂本雅志著、書籍『この1冊ですべてわかる CRMの基本』(日本実業出版社刊)から一部抜粋、編集しています。
GoogleやAmazonなどの有名企業が一番重視しているのがCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)です。
CRMは「企業と顧客の長期的かつ良好な関係を構築する手法・戦略」ですが、ここ数年でCRMを取り巻く環境は激変しています。
ポイントカードや会員プログラムだけでなく、Amazonのレコメンド機能やGoogleの行動ターゲティング広告、携帯電話会社の割引施策まで、その範囲は多岐にわたります。
直近の動向・トレンドを踏まえ、CRMの必須知識や導入のポイントを解説した1冊です。
顧客データの活用においては、いかに顧客の囲い込みにつなげられるかが重要な視点です。その意味で、顧客の効率的、効果的な育成、維持がカギを握ることになります。
見込顧客の中から優良顧客になる可能性の高い顧客を見つけ出し、新規顧客の獲得を目指します。
フラッシュマーケティングや割引施策など、しなくてもよい施策を実施している企業も多いようです。それで一時的には顧客が増えるかもしれませんが、企業にとって本当に有益な顧客といえるのでしょうか。各社のお得なキャンペーンだけに反応する顧客は、必要な顧客と考えるべきではないのかもしれません。
再春館製薬所ではいきなり商品を販売することをせずに、「無料お試しセット」の申し込みから、さらに継続するかどうかというコミュニケーションをとっています。手間がかかりますが、顧客を維持、育成するためには、本当に大切にすべき顧客だけにアプローチしていくことも有益な手法になります。
優良顧客を維持し拡大する活動を通じて、優良顧客となり得る具体的な顧客像が見えてきます。その優良顧客になりやすいお客さまに対してアプローチすることで、効率的なマーケティング展開が図れるようになります。
CRMを導入する企業の新規顧客へのアプローチは、導入していない企業とはまったく異なるものになります。
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