「“完璧”な名刺データがほしい、とにかくラクに」 “続かない人”に贈る名刺サービス4選作業は3分でもOK?(2/2 ページ)

» 2015年03月24日 09時00分 公開
[小林誠Business Media 誠]
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オペレーターが手入力する「Eight」は作業時間がたったの17分

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 同じように名刺を撮影するタイプながら、“修正いらず”の名刺アプリ「Eight」はどうだろう。スマホのアプリを使って名刺を撮影すると、名刺の画像データがEightのサーバーに送られ、オペレーターが手入力してくれる。つまり撮った後の入力や修正の手間が省けるというわけだ。

 無料でも使えるが、今回は「より速く(無料版の3分の1)、正確」だというプレミアム登録を行った。こちらは1カ月400円(1年契約の場合は4000円)の料金が発生する。

 結果は、筆者の作業時間が17分、100枚すべての名刺データが得られるまでの時間が70時間となった。

 なんといっても驚くのは、作業時間が“たった17分ですむ”というところ。“名刺を撮影すれば終わり”なので、ラクなことこの上ない。名刺を撮影して登録ボタンを押せば、あとはデータが随時入力されていく。100枚のデータ化が終わったのは撮影から70時間後だった。この間、別の仕事ができるので時間の節約になるが、「すぐに名刺データを検索して使えるようにしたい」という人にとっては、少々時間がかかりすぎるかもしれない。

 なお、Eightを提供しているSansanに、プレミアムサービス利用時のデータ化にかかる時間を聞いたところ、3月第2週の実績では受け取ってから約半日程度としている。データ化にかかる時間は時期に応じて変動があるようだ。

 入力内容は完璧で、縦書の名刺もちゃんと入力されている。確認の必要はほとんどなさそうだ。

Photo 名刺を撮影したら、あとはオペレーターがデータを手入力するのを待つだけというラクチン仕様(画面=左)。データの送信状況や同期完了の通知は、スマホの通知パネルに表示されるので、いちいちアプリを開いてチェックする必要はない。アプリでは、どの名刺が未入力かを確認できる(画面=右)

名刺を“丸ごと送って待つだけ”の「メイシー」

 名刺の撮影すら必要なく、名刺を郵送してデータ化を待つだけのサービスはどうだろう。「メイシー」はまさにそんなサービスだ。「月額基本料1980円+名刺入力25円/1枚+スキャン10円/1枚+名刺返送料500円」の有料サービスだが、作業は申し込みと発送作業だけという手軽さだ。

 このサービスの筆者の作業時間は15分、100枚すべての名刺データが得られるまでの時間は156時間だった。

 筆者が行った作業は、メイシーへの申し込みと、その後の確認(電話、メールがくる)、後日届く封筒に名刺を入れてゆうパックで発送するだけ。メイシーのアプリをインストールする必要もあるが、だいたい15分もあれば十分だ。名刺を自分で撮影するのに比べると、かなり手間が省ける。

Photo PCのWebサイトから申し込み。その後パスワードや、請求書名や申し込みユーザー数、期間、支払い方法の確認が電話、メールで届く
Photo 申し込み終了後、2日で名刺を送るための封筒など一式が届いた。名刺はゆうパックで発送する

 ただ、入力が完了し、アプリで名刺データを閲覧できるようになるまでには、そこそこ時間がかかる。申し込んでから専用の名刺を入れる封筒が届くまでには2日かかり(メイシーの運営会社がある大阪市から横浜市までの場合)、地域によってはさらに時間がかかる可能性もある。

 名刺を発送してからも時間がかかる。ただ、土日も名刺を入力しているのか、それともスキャン作業が迅速なのかは定かでないが、名刺の読み取り自体は発送から3日で終えているようだ(メールで連絡がくる)。

 さらに名刺のデータ化が終了しても、アプリにデータが反映されるまでには時間がかかり、今回はさらに2日程度かかった。結局、申し込みから名刺データを見られるようになるまでの時間は150時間を超えた。

 メイシーには出張サービスや、名刺を送らず自分で撮影する方法もあるので、ニーズにあった方法を選ぶといいだろう。

Photo スキャンし、オペレーターが目視でチェックした名刺データはアプリでも確認できるが、スキャンを終えてからアプリで確認できるようになるまでには数日かかる

究極の時間節約! 「スキャンマン」で作業はすべて他人任せ

Photo 呼べばスキャンしに駆けつけてくれるスキャンマンのみなさん

 封筒に入れて送るのすら面倒――。そんな人には、“作業すべてを人任せ”にできる、「スキャンマン」がオススメだ。なんと名刺をスキャンするスタッフを自宅やオフィスに派遣してもらえるのだ。

 1時間で1000枚までの名刺をスキャンしてくれて料金は2980円。名刺のPDF化や、手入力で正確なデータが得られる「Eight」への出力にも対応している。詳しくはこちらの記事を参考にしてほしい。

 筆者の場合、個人事務所兼自宅にスタッフを呼ぶことになる。さすがに名刺100枚のためにそこまでするのはためらわれたので、上記の記事とスキャンマンのWebサイトで確認の上、名刺入力の作業時間を算出した。その結果、作業時間は約3分、データ化に約25時間(Eightのデータ化までを入れると95時間)と見積もった。

 作業時間は約3分としているが、会員登録不要で、Webサイトの「申し込み・見積もりフォーム」から名前、メールアドレス、電話番号、派遣先住所を入力するだけで申し込めるので、3分かからないかもしれない。今回取り上げた中では、“最も作業時間が短い”サービスだ。

 スタッフが派遣されてくるのは、最短で翌日。派遣までに24時間かかるとし、派遣されたスタッフの作業を1時間とした。

 このサービスは、スタッフが家やオフィスに来るため、利用者のスケジュールによっては、すぐ派遣してもらうのが難しい場合もありそう。その点、「Eight」や「メイシー」は人に会わずに済むので有利とも言える。

「時間の節約」視点で最もオススメの名刺アプリは

 以上の検証をまとめ、さらに「節約時間」「終了時間」「手軽さ」「正確さ」「費用」で評価したのが下の表だ。5段階で評価し、最後にそれらの項目と実際に筆者が使ってみた印象も含めて「総合」評価も行っている。

Photo エクセルへの手入力と名刺管理・スキャンサービスの比較

 検証の結果、「Eight」「メイシー」「スキャンマン」は作業時間を節約できるアプリ・サービスはといえそうだ。忙しい人や名刺が大量にある人は、これらのサービスを使うのがベストだろう。

 筆者のオススメは「Eight」。無料で正確な名刺データが得られ、プレミアム版でも利用料が安いのでお得感がある。メイシーとスキャンマンは、企業や名刺が大量にある場合に便利だ。

 一方で、この3種のアプリ・サービスは、データ化が完了するまでに時間がかかるのがネックになる。最短のサービスでも翌日までかかるので、今すぐ名刺データを整理しなければならないような緊急時には、手間はかかってもエクセルに手入力するか、CamCardのようにその場ですぐ名刺データが得られるアプリを使うのがいいだろう。

 ためている名刺の枚数によっても、サービス選びは変わってくる。枚数が少なければエクセルへの手入力やCamCardで十分。500枚、1000枚と大量にあるならEightやメイシー、スキャンマンを使ったほうが早いだろう。


 今や、名刺の管理はラクにできることをお分かりいただけただろうか。あとは、たまっている名刺の数や、どれくらいラクしたいか、どれだけのコストをかけられるか――を考えた上で、自分に合った方法を選んでほしい。

 名刺管理の方法に迷った時、この記事を思い出してもらえれば幸いだ。

Photo 時間を節約する、正確性、料金も安い、とバランスがとれている「Eight」が筆者のオススメだ
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