ビジネス向けシュレッダー、個人&チームで使うならこう選ぶ:“最新オフィス機器”動向調査
重要な書類を取り扱う業務では、シュレッダーの使用が不可欠だ。今回は個人〜10人程度のチームで使用することを前提に、ビジネス向けシュレッダーの選び方を見ていこう。
企業からの情報漏洩が、社会的な問題となっている昨今。重要な書類を取り扱う業務では、シュレッダーの使用が不可欠だ。とはいえ、店頭に並ぶシュレッダーはサイズもスペックも価格もさまざま。今回は個人〜10人程度のチームで使用することを前提に、ビジネス向けシュレッダーの選び方を見ていこう。
売れ筋は3〜5人で使えるタイプ、「作動時間は10分で十分」
取材に向かったのは、東京ビッグサイトで開催中の「国際オフィス機器展 OFMEX 2009」。まずは、米国に本社を持つシュレッダーメーカーの日本ジー・ビー・シー(以下GBC)のブースで話を聞いた。
GBCによれば、「シュレッダーを選ぶときのポイントはいくつかあるが、まずは大体何人くらいで使用するかを決めるといい」ようだ。それによって、価格帯と大まかなスペックが決まってくる。さい
GBCのブースは、個人用の卓上タイプから10名前後で使える大型タイプまでを展示していたが、価格帯は大体2万円〜30万円程度。中でも売れ筋は3〜5人程度で使える5万円台の製品で、一度に最大18枚までを裁断できる。個人で使用するならば5枚程度でもいいが、「複数人で使う場合は、裁断枚数12〜13枚程度はほしい」(GBC)という。
連続作動時間は5分〜20分以上まであるが、「裁断枚数が18枚の場合、大体2〜3分で30リットルのダストボックスがいっぱいになってしまう」。つまり、たとえ20分の連続作動が可能であったとしても、18枚ずつ裁断していれば3分ごとに裁断ゴミを捨てる必要があるわけだ。当然、作動時間が長ければ長いほど製品価格は高くなる。「3〜5人程度で使うなら、裁断時間は10分程度で十分」
書類をカットする大きさもチェックする必要がある。GBCの一般的なシュレッダーは4×40ミリのクロスカットを採用しているが、近年は2×10ミリのマイクロカット製品も増えてきた。マイクロカットは、銀行や病院など個人情報などを扱う現場に多く導入されているようだが、細かくカットする分、一度に裁断できる枚数は減ってしまう。セキュリティを取るか、裁断枚数を重視するか、業務内容に合わせて判断したいところだ。
GBCではこのほか、静音性や安全性も重視しているという。展示していた製品は、動作時にどれもモーター音がほぼ聞こえない静音タイプ。また、上位モデルには紙の投入口に投入枚数を判別するセンサーを付けたり、投入口からカッターまでの距離を長くすることで、物理的に安全性を確保している。
「スペックでは見えない使い勝手の良さ」をチェック
GBCと同じく米国に本社を持つフェローズジャパンは、「スペックには表れない使い勝手の良さ」を重視しているという。シュレッダーに関する不満を聞いたユーザーアンケートによって見えてきたのは、いかにメンテナンスの手間を少なくできるかということだ。
従来のシュレッダーでは、裁断ゴミを捨てるためにダストボックスを外すと、カッターに付着した裁断ゴミがボックスの外に落ちてしまい、余計な掃除をする一手間があった。新製品では、ダストボックスを本体から外すと、カッターの下の弁が自動で閉まり、裁断ゴミが落ちるのを防ぐ。
また、ランプの点灯によってエラーの原因が一目で分かるようになっていたり、紙詰まりを防ぐためにセンサーを搭載するなどの改良も施した。投入口の金属部分に手を触れると自動で裁断がストップするなど、安全性も重視している。
「ハイエンドなシュレッダーを1台オフィスの中心に置くのか、安価な小型タイプを各自の卓上に置くのか。オフィスの広さや利用人数に応じて、その点をまず決めるといい」と指摘するのはフェローズジャパンも同じだ。本体のデザインはブラックやグレー、シルバーを基調としたものが多いが、これは「オフィスに自然に溶け込むように、PCやプリンタなどに合わせたから」だという。
「卓上タイプもハイエンドタイプも、最近は価格が下がってきた」(GBC)というビジネス向けシュレッダー。利用シーンに応じて、コストと相談しながら賢く選びたいものだ。
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