ロディアやモレスキンばかりじゃつまらない、「自分専用のツバメノート」を目指したTPN:Thinking Power Projectリポート(3/3 ページ)
ロディアやモレスキンとはまた異なる、大人の為のノートがほしい――ある一通のメールから始まったノート開発プロジェクト、その誕生秘話とは?
「自分専用のオリジナル・ツバメノートがほしい」から始まったプロジェクト
Thinking Power Project誕生秘話を紹介する前に、イベント会場で発表された新製品について紹介したい。
今回の新製品は、ツバメノート史上最大サイズとなるA3の大学ノート。製品名は「ガリバー(Gulliver)」と名付けられ、気軽に持ち歩いて、外出先やオフィスで広げながら複数人で書きこみができるノートとして使ってほしいという意図が込められている。
早速専用のアクセサリーも用意しており、イベントでは、ガリバーを丸めて両端に付けられるホルダーカバーが紹介された。他のThinking Power Noteと同様に1枚1枚切り離して利用できるので、スケッチブックやプロジェクトのアイデア出しノートとしても活用できる。
新製品発表の後は、Thinking Power Projectの発足人である竹村教授、遠藤所長、長澤社長による対談が行われた。ここでは、後のデザイナーYOUCHANのコメントも含めながら、Thinking Power Note誕生までのエピソードを紹介する。
――始まりは一通のメールから。
2007年5月、遠藤所長の元に一通にメールが届いた。送り主は古くから付き合いのある竹村教授。中を開くと以下のような文面があった。
「7年前(2000年)にImpress Watch(IT系ニュースサイト)で紹介したステーショナリーがはやっているらしい。でも何だか面白くない。右を見ても左を見ても、ロディアとモレスキンばかり」
続く内容を見ると、どうやら自分が気に入るノートを作りたいようだった(コンセプトは「モノを考える大人のための上質なノート」)。実はこのメールをもらった時、遠藤所長はあまり本気にしていなかったという。しかしメールには「今度、ツバメノートに行ってくる。市販していない5ミリ方眼の100枚A5サイズ大学ノートを作ってもうための打ち合わせに」とあり、その後話が進んだ。
何だかんだで2007年12月には800冊のノートが完成。このころ、ノートの保管場所を提供するということで、文房具好きの長澤社長が加わった。
長澤社長のリュウドの協力もあり、本格的に量産を開始した。最初の構想は、横型A5、B5サイズ(100ページ)とした。重要な表示のデザインは、竹村教授の知り合いだったデザイナーのYOUCHANが担当することに。
YOUCHANによると、当時竹村教授からもらった要望は以下3点のイラストを入れることだったという。
- ゼロハリバートンのアタッシェケース
- カレーもしくはラプテスター
- 折り畳みキーボード。無理そうなら普通のキーボード
このオーダー内容とThinking Power Notebookのコンセプトである「大学ノートの良さを継承しつつ、大学ノートの固定概念から脱却したノート」をイメージして、YOUCHANはデザインを開始した。
そうして完成したのが、B5横60ページの「メトロポリタン」とA5横60ページの「ネイチャー」だった。
メトロポリタン。実は表紙がビジネスパーソンの1日を追ったストーリーになっている。左上が朝。ゼロハリを持って出張し、下にまわってコーヒーブレイク。右上に上がってキーボードで仕事を仕上げ、夜はカレーを食べてお疲れさま!
この2つのノートの主な特徴は、書き心地の良さに定評のあるツバメノート製であること。そして、いつでもどこでも使いやすい小振りなサイズであること。イメージを邪魔しないうす色5ミリ方眼に仕上げ、全ページに切り取りのためのミシン目を入れた。
以下、イベント会場に展示されていたThinking Power Notebookを写真で紹介する。
Thinking Power Notebookは、リュウドのオンラインショップのほか、東京・銀座の文房具店(五十音)をはじめとした各取り扱い店舗にて購入できる。
参加者には、本イベント開催に合わせて作成したというネイバーのデザインの特製トートバッグが配布された。バッグには、ツバメノート特製のピンバッチが付いており、ツバメノートファンにはたまらないレアアイテムとなりそうだ。
この後、新製品ガリバーのプレゼントクイズをするなど盛況のうちにイベントは閉幕。イベント会場となった「すずめや」のどらやきをお土産にもらい、家路を急ぐ筆者であった。
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