「超」整理手帳2013年版、“お経”工場で製本した「ロング」を追加:手帳2013(2/2 ページ)
「超」整理手帳の2013年版が登場。ビギナー向けに改良を施し、原点回帰の新アイテム「ロング」がラインアップ。このロングは365日分のジャバラ式カレンダーが特徴だが、なんと“お経”工場で製本したという。
18年目の原点回帰「ロング」――“お経”工場で製本
今回もっともユーザーが驚くのは、新アイテム「超」整理手帳ロング。外見は、A4四つ折りのおなじみのプロポーションにモレスキン的な縦バンドが加わったように見える。また、和モダンを感じさせる装丁も新しい。
バンドを外して中身を見ると、1年分のシートが連続して収まる。逆に言うとそれだけなのだ。カンガルーホルダーやジラフメモ(縦長のメモ帳)は付属しない。365日が連続するスケジュールシートのみのシンプルな構成である。スケジュールは表面のみで、裏面はドット方眼のメモスペース。表紙のサイズも従来のものと同じで、必要とあらばスーツの内ポケットにも収納可能となっている。
この新アイテムは、一種の原点回帰だ。「もともと野口(悠紀雄)教授(一橋大学名誉教授)が18年前に『超』整理手帳を発案したとき、スケジュールシートは連続した形でした。その後、製品版の手帳はシートを分割していましたが、本来は連続していたのです」
そもそも1年分のスケジュールを1つのシートにするにはかなりの困難があった。最も難しいのは製造コスト。つまり印刷代がかさむのだ。印刷するのは現在でも難しく、新発売のロングでもシートは数枚を貼り合わせているのである。
1980円という価格設定の目安の1つは既存のスケジュールシート(1200円)だった。「既存のユーザーでもスケジュールシートのみを2本購入して自分で貼り合わせて使っている例があり、それよりも安い価格を意識しました」
最終的には、経本(お経を書いたジャバラ式の書籍)を作っている工場を探しだした。ジャバラ式シートの貼り合わせにはノウハウを持っていたのである。そちらの見積もりを元に、上司を説得し、通常版の制作を依頼している印刷会社にも納得してもらってようやく制作、販売にこぎ着けた。
ビギナー向けのスタンダードと原点回帰したロング。熱烈な支持者の多い「超」整理手帳のユーザーにこの2つがどう受け入れるのか、今後も注目だ。
著者紹介:舘神龍彦(たてがみ・たつひこ)
手帳評論家・デジアナリスト。最新刊『使える!手帳術』(日本経済新聞出版社)が好評発売中。『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)は台湾での翻訳出版が決定している。その他の主な著書に『手帳進化論』(PHP研究所)『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『システム手帳の極意』(技術評論社)『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)などがある。誠Biz.IDの連載記事「手帳201x」「文具書評」の一部を再編集した電子書籍「文具を読む・文具本を読む 老舗ブランド編」を発売
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