心を「強く」すると仕事に負ける:仕事に負けない、頭と心の整理術(2/2 ページ)
私たちの毎日は今でも十分ストレスフルです。これ以上、無理に負荷をかける必要はありません。「仕事に負けない自分を作る」ためには「心を強くする必要はない」ないのです。
ネガティブな気持ちはアラームシステム
ここまでのお話しで、ネガティブな気持ちを抱く理由やプラス思考が難しい理由、心を強くする必要はない理由はお分かりいただけたと思います。
では抱いたネガティブな気持ちに対し、それを上手に吸収しながら受け取り、頭と心を整理しながら学びに変えていくにはどのようにしたらいいのでしょうか?
そこでカギとなるのが、ネガティブな気持ちを生じさせる元である信念や価値観です。ネガティブな気持ちの裏には、あなたが大切にしている信念や価値観が必ず宿っています。
これまで、あなたがさまざまなシーンでネガティブな気持ちを抱いたのは、信念や価値観が「あなたが大切にしているのは、本当は○○ではないですか?」という、メッセージをあなた自身に送ってきていたのです。つまりネガティブな気持ちは、あなたの大切な信念や価値観に気が付かせてくれるアラームシステムなのです。
「そもそも、何がこのネガティブな気持ちを抱かせるのか?」――そのメッセージに気が付き、受け取ることでネガティブな気持ちを癒し、学びに変えられます。
これまでの振り返り
- 私たちが悩みを抱くのは、信念・価値観があるから
- 信念や価値観は、これまで触れ、体験してきた情報によって作られている
- プラス思考が難しいのは、「一度ネガティブに思った気持ちをなかったことにし、ポジティブにすり替えること」だから
- こころを強くする必要はない。必要なのは柔軟性
- ネガティブな気持ちは、前向きな信念や価値観に気が付くためのアラームシステム
竹内義晴(たけうち ・よしはる)
1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。
自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。
米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)、『イラッとしたときのあたまとこころの整理術―仕事に負けない自分の作り方』(ベストブック)がある。
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