働きやすい職場を作るコミュニケーションはシンプル:仕事に負けない、頭と心の整理術(2/2 ページ)
職場のコミュニケーションを円滑にするために、コーチングなどの手法を用いることがあります。しかし私が意識しているのはシンプル。「相手が本当に望んでいることは何か?」これだけです。
「本当に望んでいること(それを実現したいと思う目的や意味)」を引き出す基本は「“それによって何が得られる?”という問いを繰り返す」という、シンプルなロジックで得られます。これを図に示すと、次のようなイメージになります。
「“それによって何が得られる?”という一言だけでいいのか?」「同じ言葉を繰り返すと、かえって違和感を抱かれるのではないか?」と思う人もいることでしょう。もちろん、実際には多少の言葉のアレンジは必要です。しかし、基本はこれだけです。
相手が大切にしている「本当に望んでいること」をシンプルなロジックで引き出しながら、具体的な解決策に導く「トライアングルコミュニケーションモデル」については、本連載の基となっている書籍『イラッとしたときのあたまとこころの整理術―仕事に負けない自分の作り方』で紹介しています。
(次回、「同僚を前向きにリードするコミュニケーション」)
竹内義晴(たけうち ・よしはる)
1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。
自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。
米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)、『イラッとしたときのあたまとこころの整理術―仕事に負けない自分の作り方』(ベストブック)がある。
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