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» 2005年07月01日 20時00分 公開

ビジネスマン、ビジネスウーマンにもっと便利な端末、サービスを──NTTドコモキーマンが語るワイヤレス業界のこれから(3/4 ページ)

[本田雅一,ITmedia]

新規参入事業者の影響は?

ITmedia 新規参入事業者の影響に関してはいかがですか?

辻村 間違いなく競争は激しくなります。おそらく携帯電話だけではなく、放送なども巻き込んでいろいろな変化が起きるという予感はありますが、具体的な予想は難しいと思います。

ITmedia 固定系ではサービス品質と価格をユーザーが自由に選べる環境になってきました。携帯電話の世界も同じように品質とサービスの選択に自由度が増してくるのでしょうか?

辻村 最終的にはSkypeのようなベストエフォート型のネットワークで使うような技術も、競合の中には生まれてくるでしょう。固定系ではベストエフォート型のインターネットが普及したことで、サービス選択の自由度が飛躍的に高まりました。おそらく、一般論からすると携帯電話でも同様の現象が起きるでしょう。

 しかし、国民の大多数が持っている社会インフラとしての携帯電話ですから、そのユーザーに対するサービスには、まだまだ大きな可能性があります。サービスをアンバンドルしたり、通話品質やカバーエリアが落ちても安ければいいといった方向の期待よりも、新しいタイプのサービスに対する期待のほうが大きいと思います。

 また、ネットワーク品質に関しても重要です。たとえば昨年発生した中越地震では、ほとんどの人が携帯電話を持って逃げたと聞きました。そうした緊急時において、被災された方々が安心してサービスを利用していただける状況を可能な限り提供すること。低価格を打ち出す事業者であっても、みんながそういう責務を背負うべきでしょう。社会インフラの一翼を担う意識、気概があるかどうか。そうした基本の上で、新しい料金サービスの競争が生まれればいいと考えています。

Wi-Fiと携帯電話は相互補完の関係

ITmedia 広帯域・定額というトレンドが、固定系から携帯電話へと流れ込んできました。次世代ネットワークに向けての取り組みについての展望は?

辻村 すでに報道されているように、我々も3.5GのHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)を導入予定です(2月16日の記事参照)。これにより下りは数Mbpsまで実効の転送レートを上げることが可能になり、ネットワークのキャパシティを増大させるのに貢献します。当初は下りだけですが、その次には上り方向も高速化し、その先には3.9Gあるいはスーパー3Gといった世界へと進むことになるでしょう。この時点で数10Mbps程度の速度が出ます。その先には100M〜1Gbpsの4Gがあり、今の光ファイバーのインフラに匹敵するネットワークになるでしょう。しかし、4Gに向かう前には4Gで検討されているいくつかの要素は、3Gにも活かすことができますから、それらを3.xGに対して随時反映させていきます。

ITmedia 広帯域・定額を突き詰めると、大規模セルのネットワークでは対応しきれないのではありませんか? どのようにサービスエリアをカバーしていくのでしょう。

辻村 基本は従来と同じ1キロメートルあるいは2キロの大容量セルになります。大きな傘で広範囲をカバーする。しかし、エリア全体の通信キャパシティを増やすにはセルを小さくしなければなりません。通信速度が高速になるほど電波ロスも大きくなりますから、3.9Gぐらいになって受信電力が高まると、基地局との距離をかなり短くする必要があります。しかし、こうした大容量・高速通信のニーズは人が集まる場所に集中するものですから、大きな傘の下に小さな傘をかぶせていく形になるでしょう。

ITmedia Wi-Fiとの統合によってカバーする考えはありませんか?

辻村 Wi-Fiと携帯電話は相互補完の関係です。だからこそ、我々も公衆無線LANサービスの「Mzone」に取り組んでいます。補完関係にある通信方式と組み合わせることに対しては柔軟に対応していきたいですね。しかし、あらゆるメディアをサポートするとなると、端末側の機能もたいへん大きなものになってしまいますから、バランス感覚は必要でしょう。

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