ITmedia ユーザー層の広がりという視点では、今後高齢者層や子供など、従来あまり携帯を持っていなかった層へ拡大することが大事ではないかと考えます。通話先を限定した「安心だフォン」などの商品を出していらっしゃいます(2004年8月3日の記事参照)が、ほかに何か取り組みをしていらっしゃいますか?
土橋 もともとPHSは非常に低電磁波で、病院で利用されるなど“優しい”商品ですから、お年寄りやお子さんに利用していただきたいと考えて取り組んでいます。
お年寄りにも口コミで広がっていっていますよ。「もっと友達に紹介したい」「ゲートボール仲間を紹介した」という声も聞こえています。
安心だフォンの認知度はじわじわと上がってきています。学校関係者にも理解をいただいており、「生徒が携帯などを持つことを禁じているが、安心だフォンと防犯ベルは許可する」という私立の小学校も出てきています。
来年小学校に上がるお子さんを持つ親御さんに、どのようなサービスが欲しいかアンケートを取っているんですが、圧倒的に多いのが位置情報と連携したサービスなんですね。LI(基地局を利用した位置情報、2月18日の記事参照)を利用したサービスはすでにありますが、東芝LIやトヨタ自動車に申し込まなくてはならなかったので、申し込みやすいものではありませんでした。今後はワンパッケージにして、より使いやすいサービスにしていくことが必要でしょう。
ITmedia カバレッジエリアの話をお伺いします。現在人口カバー率96%、来年には人口の99%まで引き上げる予定と発表されていますが、PHSの場合はどうしても「エリアが心配」「高層マンションなどで心配」という声が聞かれます。そういった声に対して、どのような取り組みをされていますか?
土橋 現在、日本全国に16万の基地局を設置していますが、それでも電波が弱い、圏外になってしまうエリアがあることは認識しています。圏外になってしまった場合は、「エリアご意見箱」に、どんどんご意見をいただきたいですね。エリアマップを見てこちらが判断するよりも、ユーザーの声を聞いた方が、より確実に(圏外を)埋めていけますから。あくまでユーザーの声をベースに変えていきたいと考えています。
建物内についてはリピータ(電波の中継装置)を使っていただくことになると思います。ホテルへは働きかけていまして、フロントで宿泊客が無償で借りられるといったサービスを考えています。あと、今は1万円の預託金をいただいて、音声通話とパケット通信両方に利用できるリピータをユーザーに貸し出していますが、これも音声だけ利用できるもっと小型なものにするとか、貸し出す方法を変えるとか、もっと使いやすいサービスにしていきたいですね。
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