メール中心の世の中で、音声通話がおろそかになっていた──ウィルコム キーマンが語るワイヤレス業界のこれから: (3/4 ページ)

» 2005年07月11日 14時00分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

固定網との協力、無線LANも視野に入れる

ITmedia 法人ユーザーの状況についてお聞かせください。法人向けにも定額料金を導入していらっしゃいますが(4月7日の記事参照)、法人ユーザーは増えましたか?

土橋 ええ、法人名義の申し込みも増えています。業種としては、製造業や流通業、多店舗展開しているレストランチェーンなどが多かったですね。在庫とか人事管理といった、本部との連絡を内線のように利用できるわけですから、ウィルコムを導入することでかなり通信費を抑えられていると思いますよ。実際、通話履歴を見ると、県をまたいだ通話が多いんです。

 ウィルコム同士が定額なのはもちろん、固定電話や携帯電話へかける通話料金も安いので、通話用のメイン端末として使ってくださる法人のお客様や、ビジネスコンシューマーが多いという手応えがあります。音質もいいですしね。

ITmedia 法人、ビジネスコンシューマーというと、音声通話だけでなく、データ通信用端末の利用者も多いと思います。こちらは新しい展開はあるのでしょうか。

土橋 これまでカード単体で販売してきたわけですが、とくに法人向けには、ソリューションとしての販売を模索しています。

 セキュリティも問われるところです。データ通信カードを抜くとPCにロックがかかるセキュリティシステム「モバロック for AIR-EDGE」(3月28日の記事参照)を販売しているほか、データ通信カードにマカフィーのウイルス対策ソフトを同梱して販売する予定です(6月30日の記事参照)

 使いやすさという点では、もちろん通信速度も重要です。今後も高速化を進めていきます。

ITmedia また、高速化という観点だと、無線LANと共存するような方向性も考えられますがいかがですか。

土橋 固定網との組み合わせはあるでしょうね。現在もADSLと組み合わせて料金を下げる「A&B割」という料金サービスを提供していますが(2003年10月23日)、このような組み合わせの延長線上で、さらなる高速化を可能にするサービスを提供できるだろうと考えています。さらに進めれば、無線LANもできるかもしれません。

ITmedia 3Gのデータ通信カードに対するメリットはなんでしょう?

土橋 3G端末で安価な定額料金はあり得ないでしょう。月額1万円を越える料金では、どうしても利用しにくくなってしまいます。やはり、定額の使いやすさはそのままに、さらなる高速化を図らないと。1Mbps、低速なADSLくらいの速度を目指したいです。

端末のラインナップ強化を

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