Nokia、モバイルエンタープライズの主役はスマートフォン Interview: (2/2 ページ)

» 2005年09月12日 20時01分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
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 携帯電話の比重は高まっています。われわれは、長期的には使用率が低下したインフラから脱却することを提案しつつ、短期的には既存投資を活用するソリューションを提案しています。後者は、PBX市場のリーダーであるAvaya、Cisco Systemsと提携し、固定電話にモビリティ拡張機能を付加するソリューションです。固定電話にかかってきた電話を携帯電話で受信可能で、セルラーを使ってPBXと携帯電話とが通信します。将来的には、無線LAN経由で実現できるようになり、携帯電話は社内ではコードレス電話に、外出先ではセルラー経由となります。これにより、コストは大幅に削減されます。

「Nokia 6630」で、固定電話にかかってきた電話を受信している例

 もしIP対応のPBXがない場合、完全にモバイルに移行することも可能で、たとえばNokia本社は現在、ほぼその状態です。携帯電話料金は価格競争により低下しているので、ユーザー数が多い場合、ある程度の割引プランを用意するオペレーターもでてきています。

――モバイルエンタープライズの人気アプリケーションとなるのは?

イソソンピ氏:まず音声と電子メールを中心に広まり、これを土台として、SFA、FFAなどの業種特化型ソリューションがその上で利用されると見ています。たとえばSFA、FFAの場合、ノートPCは重く、バッテリの問題もあります。「Nokia 9100」のような携帯電話が適しているケースが多いでしょう。業界では、金融、製薬、運輸、ヘルスケアなどがモバイルソリューション導入に積極的です。我々はオペレーター、SAPやOracleなどのソフトウェアベンダー、システムインテグレーター、そして現地のSI事業者と提携し、推進しています。

――今後、この分野ではどのような携帯電話が出てくるのでしょう。PDAはライバルですか?

イソソンピ氏:現在Nokiaがエンタープライズ向けとして提供しているのは、Nokia 9100/9300/6822です。もちろん、ユーザーは他のNokiaの端末を選択してモバイルを導入することもできます。この3台は、まだ市場の理解が十分にできていないときに出した製品だったので、今後はよりエンタープライズに特化した端末を出す予定です。

 計画としては、Series 60対応や3G対応のほか、今後エンタープライズ事業部が提供する携帯電話はほとんどすべて無線LAN機能をサポートします。ペン入力機能がないとの指摘を受けているので、これにも対応するつもりです。フォームファクターにもバリエーションが出てくるでしょう。

 PDAについて、通信機能がない限りPDAは携帯電話と競争できると、個人的には思っていません。無線LAN接続ができるPDAは、場合によってはすばらしいツールですが、概してコンセプトが限定されています。

 現在、ほとんどのビジネスユーザーは、PDAと携帯電話の2つを持ち歩いています。Nokiaでは1台で十分だと思っており、そのような端末を提供していきたいと思っています。

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