携帯が音楽配信市場の有力チャネルとして定着――矢野経済研究所 (2/2 ページ)

» 2005年09月14日 19時06分 公開
[ITmedia]
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 また2005年度に本格的な普及期に入ったモバイルFelica対応携帯電話の出荷台数は、2004年度の425万台から大きく増えて、1750万台の見通し(2月1日の記事参照)。KDDIによるモバイルFelica搭載機種の導入、ボーダフォンのモバイルFelica搭載機の導入意向により、対応端末が増加すると見込む。

 電子マネー「Edy」の利用環境充実や、JR東日本「モバイルSuica」のスタートなどにより、一般ユーザーが電子マネーやポイントカードを利用する機会が増えるであろうことから、2006年度以降、モバイルFeliCa市場が本格的に盛り上がることが予想されている。

MP3再生対応端末の出荷台数見込みは2837万台

 音楽再生に対応した携帯電話は2000年から国内市場で販売されているが、NTTドコモが主力のFOMA 901i/700i/901iS/701iシリーズで音楽再生に標準対応した結果、市場が急拡大。2005年度の出荷台数は、前年比378.3%の2837万台と大幅な増加を予測する。

 またアップルコンピュータの「iPod」人気に象徴されるデジタルオーディオプレーヤー市場の拡大や、メモリカードの容量拡大や価格の下落が進んだことなどの諸要素により、携帯電話で音楽を聴くスタイルが定着してきたことから、結果的に音楽再生対応携帯電話機の出荷台数が、デジタルオーディオプレーヤの出荷台数を上回ると考えられる。

 しかし、音質やPCとの親和性、再生時間などでは、デジタルオーディオプレーヤの方が優れている部分も多いため、携帯電話がデジタルオーディオプレーヤ市場を侵食するとは言い切れないという。しかしながら、3G定額制の普及とコンテンツ流通、著作権保護まで一体化されたサービスを提供できるメリットは大きく、今後、携帯電話が音楽配信市場の有力チャネルとして定着していくのは確実であると予想されている。

 「2005年版 国内移動体通信市場動向調査」はA4版279ページの資料として提供され、価格は10万5000円となっている。

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