DoJaを超えるJava仕様を提供する──ドコモとサンの「スタープロジェクト」

» 2005年11月10日 18時19分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 11月10日に行われた「JavaOne Tokyo 2005」の基調講演に、ドコモ執行役員 プロダクト&サービス本部の夏野剛マルチメディアサービス部長が登場、携帯Javaに関する今後のドコモの計画を話した。

 現在ドコモは、iアプリのJava仕様として「DoJa」を開発・採用しているが、夏野氏はこれを超えるアプリ開発を目指してサン・マイクロシステムズとの共同プロジェクト「*プロジェト」(スタープロジェクト)を立ち上げたことを明らかにした。

 サンとドコモが共同で携帯Javaのプロジェクトを立ち上げるのは2度目となる。「最初にJavaの携帯電話『503i』を出したときにも2年くらいかかって、サンとの共同プロジェクトで商用化した。同じようなやり方でサンと2社でさらに一歩進めるようなものをやりたい。開発者やJavaをビジネスに利用する企業、ユーザー──皆が有効に携帯電話のJavaを使えるように、さらに質の高いものにする」(夏野氏)

 初期のiアプリは簡単なゲームなどが主流だったが、今ではゲームの表現力が「(902iでは)PSPっぽく見える」(同)ところまで向上。2004年には、おサイフケータイのアプリとしても使われるようになるなど用途も広がってきた(2004年6月の記事参照)。夏野氏は「2001年、最初にJava端末を商用化したときにJavaはゲームのためだけにあるのではなく、将来は金融アプリケーションにつなげていきたいと話した(2001年8月の記事参照)。これが今、実現できていることをうれしく思っている」と振り返った。

 「そうはいっても、これで満足していてはいけない」ことから、さらなるJavaの進化と開発環境の改善を目指して、*プロジェクトを立ち上げるという。

 *プロジェクトでは、ユーザーの使い勝手やパフォーマンスの向上、開発のしやすさ、エンタープライズ向けアプリケーションとの統合のしやすさについてさらなる強化を図る。「DoJaを超えるアプリにチャレンジしたい。今の携帯電話のJavaではやりにくいことをさらに進め、セキュリティを強固で柔軟なものにする」

 世界中にさまざまな携帯向けJavaの仕様がある中で、DoJaは作りやすさやアプリの品質の高さが特徴だと夏野氏。こうした良い部分を活かしながら次のステップに進むと話す。「これからJavaは、携帯電話のプラットフォームとしてますます重要性を増す。開発者の方と一緒に有用性を世の中に広げていきたい」

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