FeliCa関連ソリューションを多数展示――C＆Cユーザーフォーラム＆iEXPO 2005（1/2 ページ）

[吉岡綾乃，ITmedia]

　12月7日から9日まで、東京ビッグサイトでNECのプライベートイベント「C&Cユーザーフォーラム＆iEXPO 2005」が開かれている。ここでは「FeliCaビジネスソリューションゾーン」での展示を中心に見所を紹介する。

おサイフケータイで入場、スタンプラリーも

　NECが展開するさまざまな商品、ソリューション、研究成果などが展示される本イベントの中でも、最も力が入っているのがFeliCa関連ソリューションの展示だ。

　まず来場者は事前に、同社が開発する「トクトクポケット」（2月17日の記事参照）をおサイフケータイにダウンロードし、「体感！ FeliCaパス」を事前登録しておくと、スムーズに入場できる。

　会場内の「FeliCaビジネスソリューションゾーン」では、同じくトクトクポケットを利用した「体感！FeliCaスタンプラリー」が実施されている。おサイフケータイにトクトクポケットをダウンロードし、チェックポイントを回ってスタンプを集めると、スロットゲームに参加できるというもの。1日2名にiPod nanoが、1日200名にバザールでござーるグッズが当たる。おサイフケータイを持っていない場合も、名刺2枚と交換で、対応機種を貸し出しているのでスタンプラリーへの参加が可能だ。

ecute大宮で実証実験を行ったSuicaソリューションを展示

　FeliCaビジネスソリューションゾーンでは、11月8日から16日にかけて、JR大宮駅の構内にある大型商業施設「ecute（エキュート）大宮」で行われていた「Suica活用ソリューション」の実証実験を再現したデモ展示が行われている。

　これは、タッチパネルの大型ディスプレイと、Suicaのリーダーを組み合わせたもので、2月に上野駅中央改札グランドコンコースで行われた実証実験「Suicaポスター」を応用したものだ（2月22日の記事参照）。タッチパネルを操作して興味のある店舗を選び、Suicaカードをリーダーにかざすと、店舗までの地図や、クーポン券、セール情報などがメールとして携帯電話に送られてくるという内容。ただし事前に、SuicaのID番号を携帯電話のメールアドレスに紐付けてユーザー登録を行う必要がある。

ディスプレイに表示された中から店舗を選び、タッチする

館内の地図や、店舗までのルートが示される。SuicaリーダーにSuicaカードやおサイフケータイをかざすと（左）、店舗情報がメールとして送られてくる（右）

　ecute大宮の実証実験ではここまでだったが、本展示ではさらに一歩進めた内容となっている。「実証実験の結果、ID番号を自分で入力する作業が繁雑なため、操作できないユーザーも多数出たこと、ディスプレイがタッチパネルであることを分かってもらえなかったことなどの反省点を踏まえた」（説明員）

　ID番号とメールアドレスを紐付ける代わりに、同社の「LightHolder」（2003年9月9日の記事参照）をベースに開発した専用iアプリを用意。Suicaリーダーにおサイフケータイをかざすと、自動的にiアプリが立ち上がるようになっている。地図などの大きなデータはWebダウンロードで受け取るが、クーポンや店舗情報などは三者間通信（11月7日の記事参照）を利用して、パケット通信をせずに受け取るイメージだ。

　iアプリがインストールされているおサイフケータイをPOSレジのリーダー／ライターにかざすと、クーポン券がある場合にはその旨を問い合わせてくる。クーポンを使うと、その分が割り引かれてSuicaでの決済が終了する。また、スタンプがあればスタンプも付与される。

Suicaリーダーにおサイフケータイをかざすと、クーポン券（左）やスタンプ（右）が送られてくる。POSレジと連動しており、Suicaで決済するのと同時に処理できるのがポイント

モバイルSuicaで決済するイメージ。端末をかざすと自動的にiアプリが立ち上がり、クーポンがあれば利用するかどうかをPOSレジから聞いてくる

　JR東日本ではおサイフケータイを利用した“駅ナカ”のナビゲーションサービスを提供したい考えを持っており、auとの共同発表会でGPS端末と連動するナビシステムの構想を発表している。Suica活用ソリューションも将来的には、ナビゲーション用途へ展開したい考えだ。「ecute大宮の実証実験では、リーダーが1台だけだったこともあり無理だったが、将来的には位置情報を絡めることで駅ナカのナビゲーションへつなげていけると思う」（説明員）