最大手の携帯電話メーカーであるフィンランドのNokiaは、今年も50台近くの携帯電話を提供する予定だ。2月15日、スペイン・バルセロナで開催中の「3GSM World Congress 2006」にて、同社のブロードアピール・マーケティング担当ディレクタであるマッティ・クオレヤルビ氏と、同社広報のキース・ノワーク氏の両氏に、今後の端末戦略、三洋電機との合弁会社設立などについて話を聞いた。
ITmedia 世界マーケットシェア第2位の米Motorolaは「RAZR」(2005年3月11日の記事参照)で大成功を収めています。御社の端末戦略について教えてください。
マッティ氏 「Nokiaの市場シェアは、2005年第4四半期時点で34%、2005年通年で33%を獲得しています。昨年我々は、56台の端末を発表しました。エントリーモデルから、ファッション端末、マルチメディア端末、3G端末、無線LAN機能やモバイルTVをサポートするハイエンドまで、実に幅広いポートフォリオです。今年の3GSMの会期中はミッドレンジ端末を3機種発表しましたが(2月14日の記事参照)、ミッドレンジは非常に重要で、成功している分野です。たとえば「Nokia 6136」は、UMA(Unlicensed Mobile Access)をサポート、8倍デジタルズームが可能な130万画素カメラを搭載、FMラジオもサポートし、価格は300ユーロ以下を実現しました。
Nokiaが端末で重要視しているのは、デザイン、機能、使い勝手です。たとえば、折りたたみ式でもヒンジの側面を押すだけで開くモデルがあり、素材も皮やメタリックを使い分けています。たとえば、「Nokia 3250」(2005年9月27日の記事参照)は、電話、カメラ、音楽の3機能を使いやすく組み合わせました。ツイストすることで、カメラと音楽機能が切り替わります。昨年は音楽携帯の年でしたが、Nokiaは音楽再生機能を持つ端末を合計約4600万台出荷しました。
フォーカスは顧客を理解し、ターゲット顧客に適切な端末を出すこと。適切な端末とは、適切な技術と適切なデザインの両方が揃った端末です。そのために消費者のリサーチを行っており、世界にあるデザインセンターでは、25カ国から125人のデザイナーがコラボレーションしています。
今年も昨年とほぼ同じ台数の端末を発表する計画です。なお、3G端末ですが、昨年は56台中15台が3G端末でした。今年もこの傾向が続くと見ています」
ITmedia 2月14日に発表した三洋電機との提携(2月14日の記事参照)について、教えてください。
キース氏 「CDMA端末に関して、2社で合弁会社を立ち上げて端末を供給していくというものです。地域的には、Nokiaが強いのはブラジル、北米市場で、三洋が強いのは日本、北米市場。分野としては、Nokiaがエントリーからミッドレンジであるのに対し、三洋はハイエンドです。つまり、2社がともに強い北米市場でも範囲が重なっていません。このように、重なる部分は少なく、2社が合体することで得られるメリットは大きいといえます。
シェアで見ると、Nokiaが約13%、三洋が約7%で、両社が合体すると世界でもトップクラスのCDMA端末ベンダーとなります。このように、両社の合弁企業は、1+1は2以上の効果を生むことでしょう。
新会社は、出資比率などはまだ未定ですが、双方の本体とは独立した事業体を持ちます。ブランドに関しては、Nokia、三洋とも強いブランドなので、今後話し合って決めていく計画です」
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