今日は講演会出席と取材のため、ほぼ1年ぶりに仙台を訪れた。仙台近郊は、首都圏エリア、新潟エリアに並ぶJR東日本のSuica導入エリアだ。対応店舗の増加も著しく、仙台駅や周辺駅では、Suica対応を示すペンギンステッカーを張ったお店が増えていた。筆者が観察した限りでも、駅ナカでの利用率は高く、ユーザーへの普及も進んでいる印象を受ける。
仙台駅のSuica対応で驚いたのが、駅構内にあるSuica対応ロッカーだ。Suica対応コインロッカーでは、中央部にSuicaリーダー/ライターがあり、ここに手持ちのSuicaカードやモバイルSuicaをかざすことで「施錠・解錠」を行う。物理的な「鍵」は存在しない。利用料はもちろんSuica決済だ。Suicaユーザーからすると、“かざすだけ”の手軽さでロッカーが利用できる(2005年3月4日の記事参照)。
注目すべきは、その利用率の高さ。筆者が訪れたのは平日のお昼前だったのだが、写真のとおり、すべてのロッカーが使用中である。仙台駅員によると、「(Suicaコインロッカーは)平日、休日を問わず好評で、なかなか空いていない」のだという。
JR東日本によると、Suica対応コインロッカーは2005年2月にJR上野駅に設置されたのを皮切りに、現在全国10カ所の駅に設置・稼働しているという。だが、Suicaユーザーのニーズの高さを鑑みると、稼働台数をもっと増やしてもいいのかもしれない。
コインロッカーのFeliCa対応としては、JR東日本のほかに、スルッとKANSAIの「PiTaPa」に対応する多機能コインロッカー「クロスキューブ」もある(2003年3月25日の記事参照)。クロスキューブは以前から携帯電話を使った多機能型コインロッカーサービスに力を入れているが、「個人の一時預かり」でPiTaPa認証が利用できる。こちらも“かざすだけ”でコインロッカーの利用と決済ができるのが特徴だ。
FeliCa/モバイルFeliCaを認証手段として使う「電子錠」ソリューションでは、マンションやオフィス分野が代表的(2005年11月9日の記事参照)だが、より日常的で幅広いニーズとして、コインロッカーは有望だ。特におサイフケータイの通信機能を使えば、荷物の受け渡しをはじめとして様々な新サービスの可能性が広がる。今後の注目分野の1つと言えるだろう。
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