PCショップでユーザー向けに販売されているWindows XPなどとは違い、Windows Mobile は、ハードウェアメーカー向けに販売されるOSだ。メーカーはこれを自社のハードウェアに組み込んだ形で製品を販売する。メーカー間の差別化が図れるように設計されており、Windows Mobile の本来の機能にハードウェアメーカーが機能を追加して出荷することになる。
Windows Mobile は、OSだけでなく基本的なアプリケーションとともに提供される。以下、幾つかのアプリケーションに関して簡単に解説し、企業での利用に際しどのように活用できるのか考えていきたい。
機能 | アプリケーション名 |
---|---|
オフィスソフト | Office Mobile(Word Mobile/Excel Mobile/PowerPoint Mobile) |
メール・スケジューラ | Outlook Mobile |
Webブラウザ | Internet Explorer Mobile |
メディアプレーヤー | Windows Media Player Mobile |
同期 | ActiveSync |
・Office Mobile
「Office Mobile」は、PC用のOfficeと似たソフトウェアで、「Word Mobile」「Excel Mobile」「PowerPoint Mobile」から構成される。
Word MobileとExcel Mobileはそれぞれモバイル版のWordやExcelということで、当然PC版のものと互換性を持つソフトウェアであり、モバイル環境での利用を意識して機能をコンパクトにしたものである。メモリカードなどへコピーしたドキュメントをWindows Mobile デバイス側でそのまま利用できる。例えば、顧客へ移動中必要となった書類を、RASサーバーやVPNサーバーを経由して社内のファイルサーバにアクセスして取得することも可能だ。
また、Windows Mobile デバイス上でWordやExcelの文書を直接作成することもできる。Excel Mobileでは、セルへの値の入力以外に、数式の入力やグラフの作成まで可能となっており、外出先でも編集作業が行える。
PowerPoint Mobileは、Windows Mobile で新しく搭載されたソフトで、PC用のPowerPointと互換性がある。現在のバージョンではファイルの編集はできないが、PC用PowerPointでいうスライドショー機能を持っている。アニメーションなどの機能はあり、小さな画面ではあるが、PC上と同じようにプレゼンテーションが行える。
ビジネスコミュニケーションにおけるメールへの依存度が高くなっている中、ユーザーがメールの処理に費やす時間は年々多くなってきている。メールに添付されているこれらのOffice文書を、PCと同じような感覚で開き、編集できることにより、移動中にPCを開かなくても、モバイル端末でもメールの処理が行えるようになるメリットは大きい。一般的に、W-ZERO3のような端末を営業マンなどが業務で活用する場合、業務アプリケーションを社外で利用できる以上に、社外や移動中にメールの処理ができるようになるメリットの大きさは、計り知れないものがある。
・Outlook Mobile
Outlook Mobileは、予定表、仕事、連絡先、メールなどを管理するソフトで、ActiveSyncを介して同期することにより、PC用のOutlookと内容を同一に保てる。このためデスクトップPCユーザーは、Outlookで入力した情報をそのまま外に持ち出せる。Windows Mobile デバイスは、電源オンですぐに動作するため、予定などの確認はノートPCなどに比べると格段に簡単かつ素早く行える。
電話機能を搭載したWindows Mobile デバイスであれば、連絡先からダイヤル発信もできる。Windows Mobile 5.0に搭載されている連絡先は、画像の登録が可能なように拡張されており、顔写真なども登録できる。Windows Mobile 5.0は、カメラデバイスを正式サポートしているため、写真を撮って、すぐに連絡先に登録しておくことも可能。Webサイトから取得した地図画像などを画像として登録しておくのも便利だ。電話機能と連絡先機能は密接に関係しており、着信時には、通知された番号から連絡先を検索、名前や登録した画像を表示できる。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日
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