Windows Mobile は、Windowsと同じようにユーザーが自由にアプリケーションをインストールできる。また最近ではプロセッサの性能も向上してきており、たとえばWindows Mobile デバイスで、マルチメディアデータを再生するなど、比較的高い負荷がかかる処理も行えるようになっている。また、PC用ソフトの開発者には馴染みのあるWindows開発環境でアプリケーションを開発できる。
ソフトウェアを自由にインストールできるため、機能拡張、カスタマイズも容易な点もメリットだ。企業導入においては、複数のWindows Mobile デバイスにソフトウェアのインストールする場合がほとんどだと思うが、CAB形式のファイルを使って行うことにより、作業を簡易化できる。ActiveSyncを介してPC側から実行したり、メモリカードや通信経由でCAB形式ファイルを転送し、直接Windows Mobile デバイス上で展開したりすることもできる。
Windows Mobile にインストールできるソフトウェアを開発するには、マイクロソフトが提供している開発環境「Visual Studio 2005」を利用する。Visual Studio 2005 Standard Edition以上の全バージョンで、Windows Mobile 用アプリケーションの開発がサポートされている。言語も、ネイティブコードを出力可能なC++のほか、Visual BASICやC#なども利用できる。このとき、アプリケーションは.NET Compact Frameworkベースで動作する。これは、PCに比べると解像度の低いWindows Mobile に合わせて作られた.NET Frameworkである。
どちらも、基本的なプログラミングは、Windowsのものと同じであり、PC向けにソフトウェアを開発した経験があるなら、Windows Mobile 用のソフトウェアを開発することはそれほど難しいことではない。また、Windows上で動作するエミュレータなどがあるため、開発時にはデバッグ作業の大半をWindows上だけで行うことができる。
また、Windows Mobile には、WebブラウザとしてInternet Explorer Mobileが搭載されているため、Webベースのアプリケーションを利用することも可能。さらに、OperaやNetFrontといったサードパーティのWebブラウザも利用できる。
組織における導入などでは、同一の設定を多数のデバイスに対して行う必要がある。例えば組織内のネットワークや、外出先から接続するためのアクセスポイントやVPNの設定などを一括して行いたい、といったケースだ。Windows Mobile ではこうした設定を予めXMLファイルとして記述しておき、まとめて設定する機能が提供されている。通信キャリアから発売されるWindows Mobile デバイスでは、こうした設定情報を通信で配布することで、一定の設定を端末に行っている場合もある。
また、WindowsのCD-ROMなどでおなじみのAutorun機能をメモリカードに対して設定できる。企業内などでは、社内ネットワークやメールサーバ、VPN、アクセスポイント、IEのお気に入りといった設定が必要な場合がある。例えば、メモリカードなどにより基本的な設定を行わせたあと、ネットワークに接続し、最新の設定ファイルをダウンロードして実行するといった方法も利用できる。
このようにWindows Mobile というOSは企業での利用において非常に有効となる多くの特徴を備えており、その環境もW-ZERO3などの登場により充実してきているため、ユーザーの生産性を上げる上で今後の企業システムの拡張には欠かせないものとなっている。その証に多くのユーザーがW-ZERO3の導入を検討しており、今後企業で活用が増えてくることは間違いないだろう。
ITmedia ビジネスモバイルでは、Windows Mobile の企業導入を考える読者を対象に、6月9日に東京国際フォーラムでセミナーを開催する。当日はモバイルコンピューティングについてのセミナーを行う他、W-ZERO3を企業導入する際に利用できる各種ソリューションなどの紹介を予定している。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日
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