予定表は、ActiveSyncを介してPCと同期することにより、PC上のOutlookで入力した項目がきちんと表示でき、会議出席依頼の送信なども可能になっている。予定を入力したときに、連絡先から出席者を指定すると、そのメールアドレスあてに、会議の出席依頼がメールで送信される。Outlookでメールを読み書きしているのであれば、自動的に予定を入れることも可能だ。普段、会議の調整などは、いったん社内に戻ってからメールなどで調整するケースが多いのではないだろうか。細かいことではあるが、こういった作業をモバイル端末で効率的に行うことにより、ユーザー本人の生産性向上はもちろん、相手側、すなわち顧客の作業も同時に減らすことになり、ビジネスのスピードを上げ、顧客からの信頼も増すことが出来るようになる。
メール機能は、複数のアカウントに対応しているだけでなく、ActiveSyncで同期することにより、PC上のOutlookのメール機能と常に同じ状態に保つこともできる。
このほかに、WebブラウザのInternet Explorer MobileやWindows Media Player 10が搭載されており、インターネットアクセスやメディア再生などが可能になっている。
ActiveSyncとは、Windows XPなどが動作しているPCとWindows Mobile デバイスの間で情報の「同期」を行うソフトウェアである。「同期」とは、複数のデバイスの情報を同一にする処理で、たとえば、PC側で入力したOutlookの予定をWindows Mobile デバイスへ転送したり、逆にWindows Mobile デバイス側で入力した予定をPC側のOutlookの予定表に反映させたりなどの処理を指す。このとき、双方が共通で持っている情報は保持されるため、ActiveSync後は、両方のデバイスが同じ情報を持つことになる。
これを行うためには、Windows側にActiveSyncソフトウェアをインストールする必要がある。現在の最新版は4.1で、基本的には、Outlook Mobileの持つ個人情報(予定、仕事、連絡先、メール)などが対象だが、Internet Explorerのお気に入り(ブックマーク)や指定したファイルを同期する機能もある。そのほか、Windows Mobile デバイスへのアプリケーションのインストールなどもActiveSyncを介して行える。
ActiveSyncはリモートAPI(RAPI)という機能を持っており、PC上のアプリケーションからWindows Mobile デバイスにアクセスすることが出来るよう設計されている。例えば、カスタムアプリケーションをWindows Mobile デバイスに実装している場合、アプリケーションの更新をこの機能を使うことにより自動化することができる。また業務精算などを自動化するのに、この機能を使い、Windows Mobile デバイスで入力した情報をPC上のExcelや他アプリケーションに吸い上げることも可能になる。
物理的な接続は、USBやBluetooth、IrDA(赤外線)を利用する。ただし、Windows Mobile デバイスにより、装備されているインタフェースには違いがある。
ネットワーク内にExchange Serverがある場合には、無線LANなどのネットワーク経由で、Windows Mobile デバイスをExchange Serverと直接同期させることもできる。ただしその場合、Exchangeのユーザーアカウントが存在し、Exchange ServerとPC上のOutlookが同期可能な状態になっている必要がある(詳細は第3回で解説)。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日
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