W-ZERO3導入事例――ハイデルベルグ・ジャパンに訊くWindows Mobile ビジネス活用講座――第4回(3/4 ページ)

» 2006年06月20日 00時00分 公開
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W-ZERO3のメリット

 ハイデルベルグ・ジャパンで、mService導入の検討を始めたのが2005年の12月。2006年3月には運用を開始している。導入に実質3カ月しかかかっていないのは、非常にスピーディに進んだケースと言えるだろう。

 日本と海外の通信方式が違うためや同じ端末が入手出来ないなどから、当初の計画から日本独自に端末を探す必要があり、PDAと、3Gのデータ通信カードを利用するつもりだった。「検討を始めてすぐに、ウィルコムからW-ZERO3が発表されました。Windows Mobile 5.0を搭載した国内初のデバイスということで、是非使ってみたい、と思ったんです。テスト用にも自分用にも、すぐに手に入れたいと思ったのですが、どこに行ってもなかなか手に入らない。会社からは試験機はまだかとせっつかれてしまい、これには困りました(笑)」(黒澤氏)

photo ハイデルベルグ・ジャパンIT部 部長の黒澤俊夫氏

 黒澤氏がW-ZERO3を導入して最も大きなメリットだと感じているのは、“ビルトイン”という点だという。「電話だから当たり前なのですが、通信機能がビルトインなのでハードとして安定しているのはありがたいです。PDA+カードだと、問題が起きたときに原因を切り分けなくてはならないしメーカーも違う。それをしなくて済むのは非常にいいですね」(黒澤氏)

 他国で使われていたmServiceのモジュールは、表示画面がQVGA用になっていたので、W-ZERO3導入に際しVGA用に作り換えた。「QVGA用をVGA用に広げるのは簡単です。表示できる情報量が増えて、使いやすくなります。メールなども画面が広いほうが見やすいですしね」(黒澤氏)

 W-ZERO3の導入にトップの理解を得るため、ハイデルベルグ・ジャパンでは社長と常務にもW-ZERO3を配布し、グループウェアとメール機能(ExchangeとOutlookの連携機能)を使ってもらったという。「社長も常務もW-ZERO3のヘビーユーザーなんですよ。おかげで『これなら大丈夫』と、導入をスムーズに決めることができました。私は社長ほどではないですが、それでも結構使っています。起動時間がノートPCより断然速いのがいい。それに小さくPCのように広げる手間もいらない。ちょっとメールをチェックするなら、非常に便利だと感じます。サービスマン全員にも、同じようにグループウェアとメール機能も利用してもらいますから、その効果も少なくはないと思っています。」(穂積氏)「私はメールの返事もこれ(W-ZERO3)で書いていますよ。英文メールの返信ならストレスも感じません」(黒澤氏)

 W-ZERO3の場合と、PDA+3G通信カードの場合を比べると、イニシャルコストが安く済んだという。「W-ZERO3が1台4万円弱×台数分。PDAだと1台6万円くらい、他に通信カードの費用が必要です。ミドルウェアは日本用に追加購入をしましたが、ドイツのITチームとうまく連携して大きな問題もなくスムーズに導入できました。端末よりもコンサルティングや構築費用の方が莫大ですからね(笑)。また、メールサーバもちょうどExchange Server 2003 SP2にアップグレードするタイミングでした。そう考えると、ローカルでイチから作るよりも、コストはかかっていませんね」(黒澤氏)

サービスマンのトレーニングは半日程度

 取材日はちょうどmServiceのトレーニングが行われていたので、その様子も見学させていただいた。W-ZERO3の画面を大型スクリーンに映し、1人の講師が20人前後のサービスマンに教えている。全員PCとW-ZERO3を1台ずつ使い、実際に端末を操作しながらmServiceやOutlookの使い方を練習する。

 「米国ではトレーニングに2日くらいかかっているそうです。日本でもそれくらいかと思っていましたが、半日も講習を受ければみな使えるようになるようです。慣れるのに1週間くらいはかかるだろうと思っていたのに、意外にすぐに慣れていくので驚いています。PCで使い慣れているWindows環境なので、なじみがあって習得しやすいというのもあるのでしょう」(穂積氏)

トレーニング風景

今後のバージョンに期待すること

 実際に運用していて、気になる点を聞いてみた。W-ZERO3については「mServiceなどのソフトが入っているせいだと思うのですが、アプリケーションによってはメモリ不足になってしまうことがあります。あとはバッテリのもちがもう少し良くなってくれると」と黒澤氏は話す。Windows Mobile 5.0については、「システム部門としてはやはり、企業のニーズに応じて端末を柔軟に管理できるよう、管理性能が向上して欲しいですね。あとは、PDFビューアーやExcel、Internet Explorerの使い勝手が上がるといいと思います」(黒澤氏)

 ハイデルベルグ・ジャパンとしては、8月末の本格稼働を目指し、使い勝手を上げるなどmServiceの改善を進めていくという。また、W-ZERO3に付いているデジカメを使い、機械の故障している部分を撮影して画像を送るといった運用方法も検討しているそうだ。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日