「Exchange+Windows Mobile デバイス」でできること Windows Mobile ビジネス活用講座――最終回: (2/4 ページ)

» 2006年06月23日 00時00分 公開
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Exchange Serverとは?

 まず簡単に、Exchange Serverの持つ機能について説明しておこう。Exchange Serverは上述の通り、マイクロソフトのサーバ製品の1つで、多くの企業で導入されている。電子メールサーバとしての機能や、予定表や連絡先といったPIM情報を個人やグループ単位で管理できる機能、そして、情報の共有機能などのいわゆるグループウェアサーバとしての機能を持っている。PC用ソフトのOutlookに対し、サーバとして動作する。2006年6月現在の最新版は「Exchange Server 2003 SP2」である。

 グループウェアとしての機能は多彩だ。例えば会議を開催するときに、参加者の空き時間を見つけて日時を設定したり、出欠確認を行えるほか、会議室や付属の機器の予約管理などもできる。また、各ユーザーがOutlookで行っている仕事の管理をグループ内で閲覧したり、仕事の依頼やその後の進捗管理などを行ったりもできる。また、「パブリックフォルダ」を使えば、ファイルの共有や電子会議室、掲示板といった機能も利用可能になる。そのほか、Microsoft Officeに含まれる「Word」や「Excel」は、Exchange Serverと組み合わせることにより、文書の回覧などが可能となるワークフロー機能が利用できる。

 ノートPCからのモバイルアクセスについても考えられており、Outlookをクライアントとして利用する場合、接続ネットワークの特性に応じて接続方法を変えられる。例えば低速な通信回線を利用するような場合、メールのヘッダだけを同期するといった方法を使うことが可能だ。またクライアント側にデータをキャッシュすることもでき、Exchange Serverが受信したメールのコピーを、ローカルマシン側に持つこともできる。これにより、ネットワークに接続していない状態でもメールを見ることが可能となる。また、複数のPCからアクセスした場合でも、1人のメールデータは常に最新の状態で1つに保たれる。

 Exchange Serverは、PC用Outlook以外をクライアントとするほかにも、以下の3つの接続方法を提供している。

接続方法 概要
Outlook Web Access IEなどのWebブラウザによるアクセス
Outlook Mobile Access cHTML/WAP対応の携帯電話によるアクセス
Exchange Mobile Sync ActiveSyncプロトコルによるWindows Mobileデバイスからのアクセス

 これらの接続を利用することによって、PC用Outlookを利用できない環境からも、Webブラウザや携帯電話、Windows Mobile デバイスを使ってExchange Serverにアクセスし、その機能を利用できる。以下、「Exchange Mobile Sync」にフォーカスして見ていこう。

Exchange ServerとWindows Mobile

 Windows Mobile は、PC上のOutlookとActiveSyncを介して情報を同期できるようになっている(連載第2回参照)。Outlookは、単体のアプリケーションとしても動作するが、マイクロソフトのExchange Serverのクライアントとしても動作する。このとき、Exchange Server上で管理されているカレンダーや住所録などとの同期が行われる。

 Exchange Serverの現在のバージョンは、Exchange Mobile Syncを利用することにより、PCを介すことなく、直接Exchange Server上の情報とWindows Mobile デバイス上の情報を同期できるようになっている。この同期機能は、TCP/IPのネットワークを介して実行できる。つまり、インターネットを介して、いつでもExchange ServerとWindows Mobile デバイスの同期が可能なのだ。

 なお、Windows Mobileに限らず、イントラネットの外側からExchange Server へアクセスできるようにする場合には、セキュリティの観点からVPNなどの設定が必須となる。Exchange Serverは一般的にイントラネット内に置くもので、インターネットとの間にファイアウォールやDMZを置くことが普通だからだ。また、こうした構成は、マイクロソフトの「ISA Server」を使って構築できる。

Exchange Serverは、企業内のネットワークやインターネット側からのアクセスが可能で、機器としてはPC(Outlook)やWindows Mobile デバイス、携帯電話などが利用できる。インターネット側には通常ファイアウォールなどのためにISA Serverを設置する

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日