「ムーバよりつながるFOMA」への取り組み――NTTドコモに聞くInterview: (3/3 ページ)

» 2006年07月25日 20時09分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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「FOMAが使えます」をどう伝えるか

FOMAエリアであることを示す看板

 ドコモはFOMAエリアの拡大・改善を全社的な取り組みとして行っており、その効果は如実に表れている。筆者もFOMAユーザーのひとりであり、取材などで九州から北海道まで各地を訪れているが、特にこの1年のFOMAエリア改善は目を瞠るものがあった。ここ最近で「FOMAが使いやすくなった」と実感しているユーザーは多いのではないだろうか。

 しかし、その一方で、ドコモユーザーの半分は未だにムーバを使っている。FOMAエリアの改善は著しいが、ムーバより使いにくいという過去のイメージが残ってしまっているのが実情だ。ドコモではFOMAエリアの改善を続けながら、番号ポータビリティに向けて「エリアが改善した」ことをしっかりと伝えることにも注力していくという。

 「FOMAエリア改善の訴求につきましては、従来型のマス広告でアピールするだけでなく、エリア単位で改善を伝える必要があると考えています。『FOMAが使えるようになりました』というチラシを、新聞の折り込みやポスト投函で配布する。またドコモショップでしっかりとお客様に伝える。そういうローカルな取り組みをしましたところ、お客様から『うちの近所で(FOMAが)使えるようになりましたね』というお言葉もいただけるようになりました。これはドコモの人間にとって大変うれしく、社員のインセンティブになっています」(石川氏)

 このような地域密着のローカルな取り組みは全国で行っており、「ドコモ支店の社員が自らチラシを配ることもある」(石川氏)という。ほかにもFOMAが使えるようになった場所にはステッカーを貼るといったPRも続けており、ドコモの地域会社やドコモショップを通じた地道な訴求は、今後もさらに積極的に行う方針だ。

ユーザーと一緒にエリア改善を続けていく

 ドコモのFOMAは第2世代とまったく互換性がない方式であり、しかも当初は2GHz帯という新たな周波数で始まったため、ユーザーとドコモ自身が「エリア問題」に悩まされてきた。しかし、ドコモはFOMAのエリア改善を必死で行い、ムーバに比肩する"いつでも・どこでも"の安心感を提供できるサービスに成長させた。

 「携帯電話の最も基本的なサービスは『エリア』です。どこでもつながることが、ユビキタスを実現する上でとても重要。FOMAでは、お客様からの要望をエリア改善に繋げるスキームができました。その(ユーザーの)声を今後のエリア改善とサービスの進化に生かしていきたいと思います」(石川氏)

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