ドコモが展開する「ドコモでピッとハッピーキャンペーン」や、全日空が展開する「ダブルマイルキャンペーン」といった全国キャンペーンを紹介するだけでなく、ドコモ東海とEdy NAVIが組んで、中部エリア限定のキャンペーンを仕掛けることもある。
面白かったのが「カフェ・アビーム」というクラブで行ったキャンペーン。ドコモのおサイフケータイでEdyを使って支払うと、通常数千円する入場料が100円になるという、若い女性客を狙ったキャンペーンだ。ドコモ東海としては若い女性のユーザーを開拓したい、カフェ・アビーム側には新規顧客を開拓したいという狙いがあり、目的が合致した。キャンペーンを仕掛ける場所としてクラブを思いついたのは「ケータイなら、踊っているときでも持っているから」(石川氏)。
2回行われたキャンペーンはいずれも成功。期間中は何度でも100円で入れるということもあって、毎週のようにやってくる女性客の中には、おサイフケータイへ機種変更したり、キャリアをドコモに変えた例も少なくなかったという。また、初めてカフェ・アビームを訪れる客も増えた。
「ドコモでピッとハッピーキャンペーン」では、カフェ・アビーム以外にも複数のクラブが対象になっているほか、フットセラピーや雑貨店、ヘアサロンなど、若い女性をターゲットにした店舗が目立つ。また、Edy NAVIでも、10代後半から20代前半の女性をターゲットにしたファッションショーの入場料を割り引くキャンペーンを行っている。ドコモ東海もEdy NAVIも、若い女性へのEdyの普及を本気で狙っているのだ。
「Edy NAVIが創刊されたころは、名古屋もちょうど“Edy創生期”だった」と石川氏は振り返る。Edy NAVIが創刊されたのは2005年3月。今でこそ高い知名度を誇るEdyだが、その頃はEdyを利用できる店舗も少なく、まだ「Edyって何?」というのが一般的な反応だった。
2005年の春といえば、名古屋で開かれた愛・地球博のちょうど開幕直前に当たる。3月18日にオープンした万博のささしまサテライト会場では、会場内のほとんどの支払いにEdyが使えた上、会場内に設置された「ポケパーク」で、ポケモンをテーマにしたアトラクション12種の支払いがすべてEdyのみとなった。
これを受けて発売されたのが、ポケモンをデザインしたEdyカード「ポケパーク・スペシャル・エディカード」だ。このカードは2000円で販売されたが、Edyのバリューは入金されていないので、利用するには会場内外でチャージをしなくてはならない。しかし「2000円払って買ったのだから、2000円分使えるプリペイドカードなのだろうという感覚の人がほとんど。チャージをする、ということからまずは理解してもらわなくてはならなかった」(石川氏)という。
そこでEdy NAVIの創刊号では、初めてEdyを使う人のガイドブック的な内容となるように編集した。ささしまサテライト会場やポケパーク・スペシャル・エディカードの説明にページを割いたほか、「Edyとは何か」「どのように使うか」「どこでチャージできるか」「FeliCaやおサイフケータイとEdyの関係は」といった基本的知識が得られる内容に仕上げ、ポケパークの会場で創刊号を配布した。
最近のEdy NAVIでは、さすがに「Edyとは何か」という説明は最小限に抑えられているが、携帯からキャンペーンへ応募する方法や、Edyに関するニュース、Edyと連動するマイルの貯めかた、Edyが利用できる場所の案内といった内容は丁寧に解説している。
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