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» 2006年09月04日 11時58分 公開

“GPSの次”には何が来る?――PNDと合流する携帯電話神尾寿の時事日想:

フィンランドのNokiaが、ドイツの地図情報サービス企業gate5を買収するというニュースは、今後の携帯ビジネスにおける位置情報サービスの重要性を示すものといえる。今後、パーソナルなナビ機器としての携帯について考えるとき、注目したいのがポストGPSの技術である。

[神尾寿,ITmedia]

 9月1日、フィンランドNokiaと、地図情報サービスの独gate5は8月31日、Nokiaによるgate5の買収に合意したと発表した(9月1日の記事参照)。gate5はパーソナルナビゲーション機器(PND)メーカーに対し、「smart2go」ブランドのソフトウェアなどを提供しているPND関連サービス事業者の1つだ。Nokiaが提携ではなく、買収まで行ったのは、今後の携帯電話ビジネスにおいて、位置情報サービスが重要だと考えたからだろう。

 特に成長著しいのがPNDだ。先日のコラムにも書いたが、欧米市場ではPNDが伸び盛りであり、ネットサービスとの連携・融合も盛んに行われている。PNDは日本型のスタンドアローンとしてのカーナビではなく、「ネット端末化」する様相を呈しており、実際、Googleを始めとするネット企業各社も重視している。

ポストGPSの動きにも注目

 PND市場の将来性が高まる中で、GPSを搭載した携帯電話や「Nokia 770 Internet Tablet」などモバイル端末が、PNDの要素を取り込む動きは今後加速するだろう。米Palmが、スマートフォン「Palm Treo」対応のナビゲーションパッケージ「Palm GPS Navigator Smartphone Edition」を発売するなど、その兆候は確実に現れている。

 一方、日本においては、現時点でPND専用機器の市場はゼロに等しいが、一方でパッセンジャー向けとして登場したauのGPS携帯電話向けサービス「EZ助手席ナビ」は着実に市場の足がかりを築いている(9月1日の記事参照)。欧米市場よりも据え付け型カーナビが一般化した日本市場においては、PND専用機よりも、むしろGPS携帯電話向けのPND型サービスの方が成長の可能性が高い。

 また今後を見据えると、次世代GPSの動きも注目である。欧州ではEU(欧州連合)が推進する「Galileo」計画(2005年12月26日の記事参照)が進んでおり、早ければ2008年にも本格運用が始まる。さらに日本では、今年3月に内閣官房が「準天頂衛星システム計画の推進に係る基本方針」を発表。GPS補完システムである準天頂衛星を、官主体で推進する方向性を打ち出した。まずは第1段階として、早ければ1機の準天頂衛星を2008年に打ち上げて、宇宙航空開発機構(JAXA)が運用する形で技術実証・利用実験が始まる。

 これら次世代GPSの各システムが運用されると、位置情報の測位制度は飛躍的に高まる。具体的には、誤差数センチ以内の測位が可能になり、ビルなど障害物の影響も受けにくくなる。PNDやGPS携帯電話のような簡易型ナビゲーションシステムにとって、次世代GPSの登場は“強い追い風”である。

 筆者は、GPS携帯電話向けのサービスやビジネスは、今後5年の最重要分野の1つだと考えている。その中でPNDとGPS携帯電話の合流、新たなナビゲーションやテレマティクスサービスの実現は、早い段階で顕在化する新ビジネス領域になるだろう。

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