ハルク・ホーガンだけの問題ではない、“Nワード”が飛び交う世界赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2015年07月30日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 米国の人気プロレス団体「WWE」が大きく揺れ動いている。事の発端は6月24日。WWEが所属する人気プロレスラーのハルク・ホーガンを解雇したと発表したことだ。

 解雇理由は明らかにしなかったものの、WWE側は「われわれはテリー・ボレア(ハルク・ホーガンの本名)との契約を破棄した。従業員やレスラー、パフォーマー、そして世界中のファンが多様であることのように、これまでもわれわれはあらゆる背景の人間を受け入れようと努めてきた。もちろん今後においても、その人の全てのバックグラウンドが明らかになっても称賛し、受け入れることを約束する」との声明を発表。

 この声明からも読み取れるように一部メディアはホーガンが過去に人種差別発言を口にしたことが解雇理由であると報じ、ホーガン本人も次のようなコメントを出してそれを認めた。

 「8年前に特定の人たちを傷つけ、侮辱するような発言をしてしまった。これは受け入れられないことであり、弁明の余地はない。世界中の誰もが重要な存在であり、民族や性別、宗教など、いかなる理由においても人々が差別されることは許されない」

 現在61歳のホーガンはプロレス界のレジェンドだ。かつてWWE世界ヘビー級王者として全米にハルカマニア旋風(熱狂的なファンのこと)を巻き起こし、社会現象にまでなったヒールユニット「nWo」のリーダー格としても活躍。日本でも1983年6月に行われた第1回IWGP決勝リーグ・決勝戦でアントニオ猪木をKOで下した一戦など数々の名勝負を演じ、人気者になった。

プロレス団体「WWE」は看板選手のハルク・ホーガンを解雇した
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