変化できるビジネスパーソンしか生き残れない(1/2 ページ)

» 2015年08月20日 14時17分 公開
[日野照子INSIGHT NOW!]
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 江戸東京博物館でこんなものを見つけました。そろばん付電卓「ソロカル」というシャープの製品です。

 1970年代後半から1980年代の前半にかけて販売されていました。加減算はそろばんで乗除算は電卓といった使い方や、電卓の計算結果が正しいかをそろばんで検算する、という使い方がされていたそうです。

 「過渡的な存在」という説明文がついていますが、この「ソロカル」の存在を笑えない人は、案外多くいるのではないでしょうか。

事務の効率化の現場でも同じようなことが

 例えば「事務の効率化」プロジェクトでは、ある程度複雑な判断が必要な事務処理をシステムで自動化するというようなことがよくあります。この判断ロジックを組み込んだシステムを作ると、この「ソロカル」のような使い方を編み出すユーザさんが時々いました。

 事務システムというものは、人間がその場その場で個人的に判断してきた一見ばらばらな事務処理を要素分解して構造化し、コンピュータが判断できるように徹底的にデータベースやアルゴリズムを考え、ロジックを組み込み、1000ものテストケースを作って検証をして、本番稼働にこぎつけます。このように作られた事務システムは、本番稼働を迎えたらよほどイレギュラーなデータが出てこない限り、処理を間違えることはありえません。

 それでも、このタイプのユーザさんは、システムの判断結果が正しいかどうかを、毎回手作業で確かめる仕事を日常業務に追加してしまうのです。もともとの目的であった「効率化」はいつの間にかどこかにいってしまいます。そろばんで電卓の検算をする人と、まったく同じ行動パターンです。

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