職場における熱中症を予防するため、厚生労働省は、次の1.〜4.の予防策を挙げています。
労働者が作業を行う環境については、次の事項に留意します。
WBGT値とは、人体と外気との熱のやりとりに着目した数値で、湿度、日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、気温の3つを取り入れた指標です。
WBGT値が、作業強度に応じて設定されている基準値を超える(おそれのある)作業場所(「高温多湿作業場所」といいます)においては、「熱を遮る遮蔽(しゃへい)物」「直射日光・照り返しを遮ることができる簡易な屋根」「通風・冷房の設備」を設置しましょう。
「環境省熱中症予防情報サイト」では、平成27年10月16日までの予定で、各地域の2日先までのWBGT値の予測値・実況値などの情報を提供しています。あくまでも目安ではありますが、屋外などのWBGT値を測定できない場合は、これらの数値が参考となるでしょう。
また、WBGT値のメール配信サービスも実施していますので、活用することをお勧めします
高温多湿作業場所の近隣に、冷房を備えた休憩場所や日陰などの涼しい休憩場所を設け、氷、冷たいおしぼり、水風呂、シャワーなどの身体を適度に冷やすことのできる物品や設備を設けましょう。
さらに、水分・塩分の補給を、定期的、かつ容易に行えるようにします。
労働者が作業をしているときは、次のような事項に留意します。
作業状況などに応じて、作業の休止・休憩時間の確保、高温多湿作業場所での連続作業時間の短縮、身体作業強度が高い作業を避け、作業場所の変更に努めましょう。
計画的に熱への順化期間(熱に慣れ、環境に適応するための期間)を設けるようにします。
自覚症状の有無にかかわらず、作業の前後、作業中の定期的な水分・塩分の摂取について指導します。
透湿性・通気性のよい服装、帽子などを着用させましょう。
高温多湿作業場所では巡視を頻繁に行い、作業者の定期的な水分・塩分の摂取、健康状態を確認します。
労働者の自主性に任せていると、特に若年層は上長等に気を使い、作業の手を休めて水分・塩分の補給をすることをためらってしまう傾向にあります。その結果、熱中症を発症することもありますので、特に発症しやすい時間帯(11時台、14〜16時台)には、必ず管理者が現場を巡回し、1人ひとりの水分・塩分の補給を確認し、健康状態をチェックしましょう。
また、日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化して病院へ搬送されるケースも多くあります。作業開始前の健康状態が昼時、作業終了時にも維持されているか、さらに作業終了時の水分・塩分補給、健康状態についても忘れずにチェックします。
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