自動車世界の中心であるCセグメント、しかし浮沈は激しい池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ)

» 2015年09月07日 08時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 Cセグメントが何かを一言でいえば、自動車世界の中心になる車種だ。今の時代の量販車において、どのクラスにしても生産コストの制約がないことはあり得ないが、Bセグメントはどうしてもコストの優先度が高く、与えられたコスト要件の中でどうやって商品性を確保するかで成り立っている。それと比べるとCセグメントはもう少し余裕がある。どんなクルマにするかが最初にあって、それをいかに安く作るかという順番で考えられているように思う。

基幹車種がずらりと並んだかつてのCセグ

 何度か触れてきた通り、Cセグメントは「フォルクスワーゲン・ゴルフ」が打ち立てたクラスだ。日本で言えば、「トヨタ・カローラ」、「日産サニー」、「ホンダ・シビック」、「マツダ・ファミリア」と言う各メーカーの屋台骨となるビッグネーム車種がずらりと並んでいた。

 ゴルフ由来だから基本構成は横置きFFハッチバックが主流になる。かつては3ドアが多数派だったが、現在では5ドアが中心になっている。Cセグメントだけの問題ではないのだが、車体サイズは年々拡大しており、現在のCセグメントではリアシートがきちんと実用に足ることが必須になっているからだ。おかげでCセグメントでも、今ではセダンボディが無理なく成立するようになっている。

初代カローラと現行カローラ。位置が若干前後しているものの一目で分かるほど大きさが変わっている 初代カローラと現行カローラ。位置が若干前後しているものの一目で分かるほど大きさが変わっている

 それとともに、クルマのコンセプトが極めて重要になり、競合車との差別化のアピールが大きな課題になってくる。戦いがし烈なだけに、ここを間違うと大変なことになるのだ。それはCセグメントのメートル原器であるゴルフですら逃れられなかった。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.