鉄道に限らず、企業には利益追求だけではなく社会的貢献も求められている。事業所は労働者を集め、機械を動かす。当然ながら、騒音、廃棄物などで環境に影響を与える。ただしそれは事業所だけではなく住民も同じ。つまりお互いさまだ。お互いさまという関係を築くためには、まず信頼関係を構築し、好感度を上げる必要がある。
鉄道事業の場合は、近隣住民に好感される事業施設は駅だけだ。住宅も商業施設も駅に近いほうがいい。しかし、線路は嫌悪施設である。線路のそばの人々には騒音や振動で迷惑を掛けている。踏切で足止めさせてしまう。ほとんどの沿線住民は、何らかの我慢をしているだろう。そこで、日ごろの感謝の意味を込めて、「お祭りをやりますよ、事業所に遊びに来ませんか」という趣旨でイベントを開催するわけだ。
「お子さまも楽しめるイベントを用意しますよ。その横には展示物もありますから、私たちの事業をご理解ください、今後ともよろしくお願い申し上げます」
これが鉄道事業所公開イベントの真意。企業イメージアップ戦略の1つだ。地方鉄道にとっては、鉄道に関心を持っていただき、なるべく鉄道を利用してくださいね、とPRする機会でもある。
西武鉄道の銀河鉄道999プロジェクトに「原作愛」はあるか
アニメ大好きな西武鉄道が、また新しいプロジェクトを立ち上げた。しかし今回は主役ではなく参加者側。「銀河鉄道999 現実化プロジェクト」という大きな枠組みの中で、鉄道現業部門として参画する。夢は大きく広がるけれど、原作ファンとしては心配なところもある。
汽笛一声「愛の出発式」、SLブライダルトレインの魅力
日本旅行と大井川鐵道がブライダルビジネスに参入した。駅で結婚式を挙行した後、SL列車で宴会を実施するブライダルプランだ。鉄道ならではの仕掛けが満載。しかし趣味に偏らず、新郎新婦、出席者にとって、末永く記憶に残る結婚式となった。
企画力と実行力の祭典「鉄旅 OF THE YEAR 2014」の名作を見よ
一昨年に引き続き、2014年も「鉄旅 OF THE YEAR」の審査員を拝命した。旅行会社が企画する「鉄道の旅」のコンテストだ。2014年度のキーワードは、「最高の旅のさらに上」と「難易度の高いツアーのパッケージ化」だ。担当者の創意工夫に感動した。旅行業、鉄道業だけではなく、企画に携わるすべてのビジネスマンの参考になりそうだ。
大井川鐵道に『きかんしゃトーマス』がやってきた本当の理由
ファンの「いつかは日本で」の願いが叶った。2014年7月2日、大井川鐵道が『きかんしゃトーマス』の試乗会を開催。実際の鉄道でトーマスが運行したのは、英国、米国、オーストラリアに続いて4番目。アジアでは初めて実現した。なぜトーマスが日本で走り始めたか。表と裏の理由を明かそう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.