中小企業の場合、人材豊富な大企業のように上司、同期、メンターやOJT担当者がサポートし合って人材を育てる方法は難しい。このため、社員の「経験」を貴重な経営資源ととらえ、「経験をどうマネジメントするか」が重要になるという。
若手・中堅社員を育成するには「経験ストック」が重要だという。「経験ストック」は、社員に“背伸びの仕事経験”を意図的に積ませ、仕事のノウハウを蓄積させることだ。
「経験ストック」の有無は、上司が部下に仕事を任せる際、(1)仕事の意義付けを行い、(2)予想される困難を示し、(3)再度意義を確認し、(4)部下のコミットを引き出す──という4つのステップを踏む“うまい任せ方”がポイントになるという。これに不足があると、説明不足の丸投げ状態となり、期待した結果が出ない状況に陥りがちになるという。
管理職のマネジメント力を伸ばすには「経験フロンティア」が必要だと説く。若い時から「全社プロジェクト」「新規事業の企画」「部門を横断して協力する仕事」といった日常業務とは違う「やり方を自ら見つけなければならない未解の仕事に取り組ませること」(=「経験フロンティア」)と、管理職のマネジメント力の向上には高い相関があった。
こうした仕事に取り組ませる際、無理難題の押しつけにならないよう、セーフティーネットとして「社長の薫陶」も必要と指摘している。
社長の右腕となる幹部の育成に求められるのは「経験ビジョン」。若いうちに「仕事人としての将来の目標(ビジョン)を持たせ、逆算して今できることを実行させること」が重要だという。
社長の右腕となる幹部がいる企業は、管理職や若手・中堅社員も成果を出しやすいという。
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