キャセイパシフィック航空が70機目のボーイング777を受領秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/4 ページ)

» 2015年11月13日 08時15分 公開
[秋本俊二ITmedia]

ハイテク旅客機の代表格

 香港国際空港に降り立つと、駐機エリアでは世界各地へのフライト準備を進める数多くの777-300ERと出会うことができる。前述したように、777ファミリーにはいくつかのタイプがあるが、それを外観で見分けるポイントは主翼の形状とボディの長さだ。長距離国際線で運航される航続距離延長型の-300ERは、主翼先端に空力特性を向上させるウイングチップを装備。全長は標準型の-200に比べ約10メートル長い。両翼を広げた長さは64.8メートル、機首から尾翼までの全長は73.9メートルで、ジャンボ機をもしのぐサイズである。その巨体を、左右の主翼に装備された2つのエンジンの強力パワーで軽々と持ち上げてしまう。

エバレット工場の大型機製造ラインで777の組み立てが進む エバレット工場の大型機製造ラインで777の組み立てが進む

 「最初にコクピットに入ったときの驚きは、今でも忘れません。初期のジャンボ機(747)では50種類以上あった計器が、777では操縦席の前方パネルに配置された6つの画面に集約され、デザインもとてもシンプルです。これが旅客機のコクピットなのかと、鮮烈な印象を受けました」

 777が就航を始めた当時、あるパイロットの一人がそんなふうに話していたのを思い出す。燃料効率もジャンボ機に比べて約20%向上。騒音やCO2排出量も低減し、環境にやさしい機種としてヨーロッパ各国などの空港で就航が歓迎された。「ハイテク旅客機」という言葉を聞いて、多くのパイロットが真っ先に「トリプルセブン」の名を思い浮かべるという。

777のコクピットは計器類が前方パネルに配置された6つの画面に集約 777のコクピットは計器類が前方パネルに配置された6つの画面に集約

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