筆者が2005年に仕事を始めたころは、全く予測していなかったことでしたが、たまに別々な存在としてとらえていたことが1つに繋がることがあります。ジョブズの場合はMacintosh開発とカリグラフィ(西洋書道)でした。スピーチの中で、ジョブズ自身も予測不能だったと語っています。
ケータイとAppleをテーマに記事を書き始めたことも、バークレーに引っ越してきたことも、恐らく関係も脈絡も見出せない、雑然とした選択だったかもしれません。さらに言えば、筆者の支離滅裂ともいえる興味の分散度合いは、正直自分でも手を焼くほどです。
しかし、前述の通り、時々そうした分野が結び付き、その結び付きに気付いて自分だけの新たな分野を作り出すことができるかもしれないのです。そのためには、「興味を持つこと」がとても大切なのだと思います。こうしたことに関して、最近では、タグ付けをする、フラグを立てる、などいろいろな言い方が生み出されています。
これだけ情報があふれている世界なので、絞らずに、あるだけのタグを集めてしまえば良いのではないでしょうか。何か物事に触れたり、新しい場所に行ったりしたとき、そのタグに関連しそうなものを見つけた瞬間が楽しいのだから。生まれ育った東京を出て、2つ目のホームタウンとなったバークレーでの生活は、そうした楽しさがあります。
次回はもう少し前談を続けることにして、バークレーのご紹介といきましょう。今回はここまで。ご愛読感謝。肌寒くなってきたバークレーより、松村太郎でした。
松村太郎(まつむら・たろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、コードアカデミー高等学校(code.ac.jp)副校長。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP)、「スマートフォン新時代」(NTT出版)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP)など。
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