LIXILは12月2日、住宅分野のIoT(Internet of Things)活用に向け、東京大学の坂村健教授(大学院情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センター長)と共同研究をスタートすると発表した。センサーで住人の健康状態を把握するなど、住まいを快適にする活用法の実証を進め、商品化につなげる。
「LIXIL IoT House プロジェクト」として、社員モニターを活用した実生活での検証や、理想モデルに基づく実証実験を通じて、2017年までにコンセプトハウス「IoT House」の完成を目指す。順次、商品化も進める。
理想モデルの検討と予備実験では、LIXILの社員が実際に生活する住宅20棟をモニターとして活用する計画。来年から研究・実験棟を設置して実証実験環境を整え、2017年から実証実験による有効性の検証を開始し、コンセプトハウスを完成させる予定だ。
プロジェクトを担当するLIXILの二瓶亮専務執行役員は「例えばトイレにセンサーを付け、排せつ物から情報を得ることができれば、健康状態を自動的に把握することができる。人の動き、様子が分かれば、1人暮らしのお年寄りが倒れたときなどの非常事態にも対応できる」と話し、住宅設備にIoTを組み合わせることで、健康チェックや非常時の自動通報など、生活の質の向上や家庭内事故の防止や防火・防犯などに役立つという展望を語る。
藤森義明社長は「住まいもIoTで変わらなければならない。世の中のあらゆるものがIoTで変わろうとしている。私たちもIoT、そしてビッグデータを取り入れたビジネスに変わらなくては10年後に生き残ることはできない。IoTの権威である坂村教授と組んで、世界のニーズに応える住まいの未来を作っていきたい」と期待する。
坂村教授はコンセプトハウスの監修を担当。プロジェクトについて「住宅設備の総合メーカーだからこそできるプロジェクト。最高の次世代住宅を作り上げたい」と意気込んでいる。
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