「年俸固定、複数年」は是か非か プロ野球選手の契約事情赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2015年12月03日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

「もらい過ぎ」とブーイングを浴びている

 今春のオープン戦で村田は極度の打撃不振に陥り、イライラを募らせた原辰徳前監督から二軍調整を命じられた。その後なんとか復調して開幕先発こそ果たしたものの、5月中旬に右太もも裏肉離れを引き起こして戦線離脱。チームが優勝争いの真っ只中だった9月にも右ひじ痛を患って2度目の離脱となるなど今季は規定打席にも届かなかった。プロ13年目は打率.236、12本塁打、39打点とキャリア最低の成績に終わり、今季V逸したチームでは“A級戦犯”の1人とされていた。

 それでも村田の来季推定年俸は3億円。今オフの契約更改交渉では席上で球団側から「もうちょっとがんばってもらいたい」とハッパをかけられたそうだが、提示された額は今季と同額だった。2013年オフに3年の複数年契約を結んでいることから、年俸3億円が2016年まで保障されているのである。

 村田同様に各方面から「もらい過ぎ」とブーイングを浴びているのが、内海哲也投手だ。3月に左前腕部炎症で離脱し、開幕二軍。6月5日のソフトバンク戦でようやく一軍復帰を果たしたものの両足がつってしまい、4回途中5失点で降板し、二軍へ逆戻りした。2度目の登板となった7月29日のDeNA戦でも登板中に足をつり、7回途中3失点で降板となって翌30日にまたしても二軍行き。結局、今季は5登板で2勝1敗、防御率5.01と散々の成績に終わり、かつてエースと呼ばれた男には見る影もなかった。

 だが、その内海も今オフの契約更改交渉で球団から提示された来季年俸の額は現状維持の4億円。2012年オフに4年16億円の複数年契約を結んでいて契約最終年の来季までは、たとえ成績が振るわなくても、この破格の年俸が保障されているのだ。村田とともに内海もネットユーザーたちから「ロクに働いていないのだから年俸を球団に返したほうがいい」などとバッシングを浴び、ヤリ玉に挙げられているのは無理もないだろう。

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