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» 2015年12月17日 08時00分 公開

松村太郎の「バークレー生活研究所」:バークレーは非常に“意志の強い”イノベーターの街だった (2/2)

[松村太郎,ITmedia]
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食文化も「始まりの地」

 筆者が偶然選んだアパートの周辺は、バークレーの北のエリアで、別名「グルメゲトー」と呼ばれ、美味しいレストランが多いエリアとして歴史がある。ちなみに筆者の妻もまた、米国にやってきてファッションとライフスタイルのジャーナリストになり、これは彼女の方が専門領域だ。

 その中核となるのが、カリフォルニア料理の発信地となった「シェパニーズ」。UCバークレー卒業のアリス・ウォーターズ氏が開いたレストランで、缶入りの野菜が主だった米国の食生活を見直し、地産地消、季節のモノをシンプルに楽しむスタイルを発信している。

カリフォルニア料理を発信しているシェパニーズの店内。キッチンや食材を顧客にオープンにするスタイルも、シェパニーズが発信源だ カリフォルニア料理を発信しているシェパニーズの店内。キッチンや食材を顧客にオープンにするスタイルも、シェパニーズが発信源だ

 また、同じブロックには、「ピーツコーヒー」の1号店がある。いわゆるシアトル系カフェとしてスターバックスが世界中を席巻しているが、その創業者が働いていたのがバークレーのピーツコーヒーだった。そのスタバの看板メニューはカフェラテだが、カフェラテが生まれたのもバークレーだ。

 UCバークレーの正門近くにあるイタリア系のカフェメッドが発祥の地とされており、本格的なエスプレッソが強すぎたこと、ショットだけでは20秒と持たず、本を読んだり議論をしたりした医学生には分量が不足していたことから、エスプレッソにどんどんミルクを足すようになり、現在のカフェラテができたのだという。

「感覚」を研ぎ澄ませて体験を大切に

 全く知らない新しい街に住み始めるということは、ストレスの原因にもなるが、楽しいこともたくさんある。今ではその場所に訪れなくてもGoogleストリートビューで、自分が住もうとする場所やその周辺の雰囲気は手に取るように分かるのだが、それでもGoogleの自動車が記録していない生活者の視点までは知る由もない。そういう点では、インターネットもまだまだ不十分といえよう。

 実際に街の人から話を聞いて、調べるきっかけをつかんだ情報も少なくなかった。まるで、攻略本を読まずに始めたドラクエみたいな感覚。そう思えると、ストレスよりも好奇心が勝るようになってくる。

 もちろん海外でなくても同じようなことは起きるだろう。日本の中でも、地域によって全く異なる文化がある。さらには新しい学校や職場など、暗黙のルールや慣れないカルチャーが存在しているところへ、ぽんと入っていくこともある。

 本連載の指針でもあるが、データに基づく情報をベースにしつつ、体験したり感じたりしたことを直接お届けできるようにしていきたいと考えている。前回もお伝えしたが、ぜひ質問などがあったら、メール、もしくは「Twitter @taromatsura」までお寄せいただければ幸いだ。

 今回はここまで。ご愛読感謝。松村太郎でした。

著者プロフィール

松村太郎(まつむら・たろう)

1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、コードアカデミー高等学校(code.ac.jp)副校長。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP)、「スマートフォン新時代」(NTT出版)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP)など。


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