この記事は谷本有香著、書籍『世界トップリーダー1000人が実践する時間術』(KADOKAWA)から一部抜粋、再編集したものです。
世界の舞台で活躍するエグゼクティブたちが一番大切にしている共通点は、「時間の使い方」。時間を味方につけるための努力や工夫をしています。
例えば、1分を60秒、1時間を60分、1日を1440分、人生を3万日といったように、目的に使う時間の単位を小さくして、大ざっぱに時間を管理することを防いでいるのです。
これは、潜在能力ではなく、後天的に身に付けていくスキルです。時間の長さそのものは変わらなくとも、時間の重みが実感をともなったものになり、これまで以上にリアルに感じられるようになります。
世界を舞台に活躍するトップリーダーは、常に30年先、50年先という「人生のゴール」を見据えて、「今」何をすべきかを考えています。
数十年先のことを見通せる広い視野を持ちながら、一瞬で目の前の選択にピントを合わせて、「ゴールへの最短コースは右だ」と判断しているということです(「最短」というのはモノのたとえで、「最短ではないけれど、理想のゴールに近いのは左だな」などと判断するケースもありえます)。
彼らは、時間という見えない対象に対しても、「ズームイン」「ズームアウト」という真逆の視点を持ち、それを自在に使い分けているのです。
「時間にズームインする」とは、時間に対して意識的になり「今はなんのための時間なのか」を常に自分に問うということです。どんな目的で、何をしているのか、目的とその意味を把握することだともいえるでしょう。その瞬間一点に絞った「ミクロ」な視点だとも言い換えられます。
「時間をズームアウトする」とは、自分で定めた「人生のゴール」に向けて自分の命の時間を一本の線で結び、高い位置から俯瞰するということです。
例えば、60歳でなんらかのゴールにたどり着きたいと考えている30歳の人にとって、今はちょうど折り返し地点です。時間をズームアウトした場合、今この瞬間は誕生からゴールにつながる一本道のちょうど真ん中に位置することになります。これは、広くあらゆる角度から自分の時間を眺めるという意味において、「マクロ」な視点だと言い換えられます。
時間に対して「ズームイン」「ズームアウト」するとは、人生を一本の線として長いスパンで俯瞰しながら、常に「今」という点に立ち返る感覚なのです。
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