といっても、「ビジョン」はあくまで本人の中での構想です。なかには、半分夢のようなビジョンも存在します。ソフトバンクの孫正義氏が良い例でしょう。
彼は、ユニソン・ワールド(ソフトバンクの前身にあたる会社)創業時に「30年ビジョン」を構想して、朝礼のときに自分以外2人しかいない社員を前に語ったそうです。「10年で年商500億円の会社にする」という壮大なビジョンがあまりにもその時点での会社の規模や実態とかけ離れていたせいで、残念ながら当時の社員は2人とも数週間で辞めてしまったそうですが。
そんな孫さんが今、掲げているビジョンは、なんと300年単位です。
数年前、「デジタルテクノロジーで世界に挑む」として、300年先の人類の姿やテクノロジーを徹底して検証した上で、再度「新30年ビジョン」を構想したのです。300年も先のことですから、構想した孫さん本人も、その正解を目にすることはできません。彼の下で働いている社員の方々に関しても同じです。
それでも、「30年先の未来でこんなことを実現したい」と願い、そこまでの道のりを具体的に思い描くことは、非常に意味のあることです。「ゴールから見て、今の自分はどの段階にあるか」と時間にズームイン&ズームアウトをすることで、今すべきことを瞬時に把握できるからです。
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