新春トレンドカレンダー:どうなる? 日本の未来 〜今年のトレンドはこう動く〜
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» 2016年01月02日 06時00分 UPDATE

杉山淳一の「週刊鉄道経済」 2016年新春特別編:試される鉄路、北海道新幹線は「本当はできる子」 (4/5)

[杉山淳一,ITmedia]

航空会社と連携し、道南方面の観光列車を望む

 北海道新幹線は航空便に対して「一方的な負け」ではない。考えようによっては、航空便の優位は所要時間だけだ。そこに希望を見つけられたら、北海道新幹線に乗っていただく施策が必要だ。

 SL函館大沼号が無理なら、それに準じた新たな観光列車がほしい。JR北海道の事情は理解できるけれど、観光列車の廃止は真逆の施策だ。非常識と言ってもいい。

JR東日本が展開する観光列車群(出典:JR東日本Webサイト) JR東日本が展開する観光列車群(出典:JR東日本Webサイト

 JR東日本が東北地域で「SL銀河」「ポケモントレイン」「リゾートみのり」など多彩な観光列車を走らせている。函館側にも観光列車を用意しないと、函館の人々が東北の観光列車に乗り、東北の人々は函館の観光列車には乗れない。東京から北上する人々は津軽海峡に達する前に降りてしまう。

 その意味で並行在来線となる道南いさりび鉄道の観光車両に期待する。道南いさりび鉄道はJR北海道のディーゼルカー「キハ40」を9両譲受する。このうち2両を観光型車両にするため、北海道が3500万円の補助金を計上している。道南いさりび鉄道の木古内〜五稜郭間は、津軽海峡と函館湾に沿い、函館山を望む良い景色だ。新幹線で新函館北斗へ向かうお客さまを木古内で降ろす力を持つだろう。

 JR北海道は函館・新函館北斗と札幌を結ぶ特急列車「北斗」「スーパー北斗」を増発する。これらの列車は現在も混雑しているから、良い施策だ。しかし、所要時間において、関東〜札幌間の航空便にはかなわない。いっそ、スピードではなくサービスで勝負する観光列車を走らせたい。JR北海道に余力がないなら、JR東日本をはじめ、航空会社、旅行会社などの出資を仰ぎ、「北海道観光列車会社」を立ち上げてはどうだろう。

 JR東日本にとっては東北新幹線の誘客につながるし、北海道の観光案件は航空会社にもメリットがある。ANAは過去に「ビッグスニーカートレイン」というチャーター便を走らせていた。他国になるけれど、過去にルフトハンザ航空がドイツ国鉄で「ルフトハンザ・エクスプレス」という列車を走らせて、航空便として販売していた。これは現在もルフトハンザ航空とICEの連携という形に変わって残っている。

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