矢野経済研究所が1月15日公表した「オタク市場」についての調査結果によると、2014年度のアイドル市場は1186億円となり、前年度から37.4%の大幅増だった。アイドルオタクは1人当たりの年間平均消費金額が7万4225円とトップで、2位の鉄道模型を約2万5000円上回っていた。
同社が毎年実施している調査の最新版で、2014年度について市場を推計した。消費金額などは昨年9月にネットアンケートを通じて調べた。
大幅に拡大したアイドル市場に加え、「トイガン・サバイバルゲーム」が10.8%増の144億円となり、2けた成長。「アダルトゲーム」「AV(アダルトビデオ)」など縮小傾向が続く市場も縮小幅が緩やかに推移し、オタク市場全体としては好調だった。
分野 | 金額(億円) | 成長率(%) | 動向 |
---|---|---|---|
同人誌 | 757 | +3.4 | ダウンロード販売が拡大 |
プラモデル | 261 | +2.8 | キャラクターモデル、スケールモデルとも拡大 |
フィギュア | 316 | +1.4 | 女性ファン層増加、訪日外国人需要で拡大 |
ドール | 134 | -0.7 | 固定ファンが支える |
鉄道模型 | 92 | +4.5 | 新幹線関連が好調 |
アイドル | 1186 | +37.4 | ジャニーズやAKBなどのコアファンに加え、複数グループの台頭で拡大 |
プロレス | 121 | -1.5 | ファン層は拡大も入場料見直しなどで支出額減 |
コスプレ衣装 | 430 | +1.7 | 一般的な趣味と認知され、ハロウィンも定着。ライトユーザー増加で拡大 |
メイド・コスプレ関連 | 112 | +0.9 | メイド喫茶ブーム終了も一般層や訪日観光客をターゲットにした業者がけん引 |
アダルトゲーム | 191 | -6.4 | 不正利用や事業者・コンテンツ現象で縮小するが縮小幅は緩やかに |
AV | 512 | -0.8 | ヘビーユーザーが支えるほか、ネット配信によりユーザー層は拡大 |
恋愛ゲーム | 137 | -5.4 | 業界内競争が激化も女性向けが好調 |
ボーイズラブ | 212 | -0.9 | 電子書籍と同人誌が堅調だが、出版物やドラマCDが低調 |
ボーカロイド | 90 | +3.4 | 2次創作活発で市場は活況。初音ミクのライブ本格化もあり拡大 |
トイガン・サバイバルゲーム | 144 | +10.8 | 都心でも楽しむ環境が整い、初心者や女性を取り込んでいる |
1人当たり年間平均消費金額の1位は「アイドル」で、「鉄道模型」が4万9721円、「コスプレ衣装」が4万7530円。最も低かったのは「ライトノベル」で1万2783円だった。
ネットアンケートした15〜69歳の男女9862人のうち、オタクと自認しているのは21.9%。そのうち既婚者は37.9%で、現在恋人ありの未婚者は13.2%だった。
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