取材を断ったら「嘘つき」と怒られないために、広報担当者がすべきことスピン経済の歩き方(5/5 ページ)

» 2016年03月01日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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 そのような「無理」なことを、「権利」をふりかざして求めてくる方にどうにか分かってもらい、怒りを鎮めていただく。そういう意味では、クレーム対応と広報対応はよく似ている。

 定型文のようなお詫びメール一通で引き下がるクレーマーなどいない。むしろ、事務的な対応に火に油を注ぐ可能性が高い。それと同じで、その場しのぎの適当なお断りメールで引き下がる「ジャーナリスト」もいない。あまりにも粗いロジックなら穴を突かれて逆襲にあうのも当然だろう。

 企業広報のみなさんは三輪さんを見習って、「取材申し込み」にマニュアル的な対応をするのではなく、「申し込みをした人」と粘り強く向き合っていただきたい。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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