IoTという新たな「産業革命」

驚異の67.5%! オートバックスセブンのDMヒット率が、ものすごい理由水曜インタビュー劇場(DM公演)(6/7 ページ)

» 2016年05月18日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

不要な情報は送らない

福島: 老舗店の“秘伝のタレ”のような感じです。歴史があるタレの味を急に変えてしまうと、既存のファンが気づいてしまいますよね。「あれ、味が変わったな」と。そうすると、既存客が離れてしまうかもしれません。そうならないために、店は時代に合わせて少しずつ少しずつ秘伝の味を変えている。そうすることによって、既存のファンは離れず、新しいファンを増やすことができる。

土肥: ふむふむ。福島さんの話を聞いていて、人間の属性情報だけでなく、行動履歴などさまざまなデータがつながることで、“新たな価値”が生まれているということが分かりました。繰り返しになりますが、以前はどういった活動をされていたのでしょうか?

福島: 例えば、ドイさんがタイヤを購入して、カーナビも購入すると、RFMポイントが急激に上がります。商品の購入価格が高いので。なぜ、ドイさんはそうした高価な商品を買われたのかというと、クルマを購入された時期だから。そうした時期はたくさんのモノを購入されるので、RFMポイントが上がる。じゃあ、ドイさんにDMを送ろうとなるわけです。でも、タイヤを購入して、ナビも購入して、ハンドルも購入して……といった人に同じようなDMが必要ですか?

土肥: いらない、いらない。

福島: いらないですよね。クルマが好きでカーナビを買われたかもしれないけれど、カーナビの情報はいらない。じゃあ、違う商品のDMを送ろうとなっているんです。いまの時代、情報が溢れているので、不要な情報っていらないですよね。というわけで、できるだけそのお客さまにとって不要と感じられる情報は送らないようにしています。

土肥: 「今月はタイヤの在庫がたくさんあるんだよなあ。クルマ好きの人にタイヤのDMを送って、売っちゃえ」といったことは?

福島: 絶対にしていません(キッパリ)。お客さまが「欲しい」と思っているモノ・サービスは何か。そのために、その人の趣味・嗜好を理解して、“つながろう・つながろう”としています。逆に、「欲しくない」と思っているモノ・サービスを売ろうとして、近づいても逃げられます。

春商戦のときに「買ったまま乗るから基本そのまま」層に送ったDM

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